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世界中でファンを獲得している韓国のドラマ。人気の秘密は視聴者の心をつかむストーリー展開もさながら、政府のバックアップも大きいと言われている。その韓国ドラマについて興味深い調査結果が発表された。

ソウル大学が中国で、好きなドラマと学歴・所得の相関関係の調査を行ったそうだ。すると、高所得層は日米ドラマを好み、韓国ドラマは低所得層に好まれるということがわかったという。

調査を行ったのはソウル大学言論情報学科のカン・ミョング教授率いる研究チームだ。カン教授らは北京在住の20歳~50歳の393名の市民に対し、中国国内及びインターネット上で人気がある中国、アメリカ、香港、韓国、台湾、及び日本の6地域から各地域20作のドラマについて、好みのドラマを調査。集まった20万以上の回答から以下の結論を導き出したそうだ。

【中国における所得・学歴と好みのドラマの関係】
・高学歴・高所得層は「理性的でユーモアがあるドラマ」が好き

高学歴・高所得層は日米ドラマ好きが多く、ドラマに「理性的でかつユーモアであること」を求めるようだ。軽快でかつ緊張感がある展開が好まれる傾向にあるという。

アメリカドラマなら『CSI』、『セックス・アンド・ザ・シティ』、『ビッグバン★セオリー』。日本のドラマなら『のだめカンタービレ』や『ホタルノヒカリ』だ。

・低学歴・低所得層は「感情的な韓国ドラマ」が好き
一方で、低学歴・低所得層には「非理性的で、感情的なもの」が人気とのこと。そういった需要を満たすのが韓国ドラマであるそうだ。

韓国ドラマ『千回のキス』、『糟糠の妻クラブ』、『清潭洞アリス』には、それぞれ

「どうしようもない」
「韓国人は自分の夫が道を踏み外すのも気にしないの!?」
「韓国ドラマを見るのに思考は必要ない。頭を使ってみると余計わからなくなる」

という感想が寄せられている。

・低学歴・高所得層は「現実的で論理的なドラマ」が好き
低学歴・高所得層は「現実的で論理的なドラマ」を好む傾向にあるそうだ。「平凡な日常から得られる感動」が好きで、韓国ドラマ『棚ぼたのあなた』や『美しき人生』から現実にある問題の解決の参考にしようという思いがあるという。

この層の視聴者は彼らの現実の境遇とドラマを共鳴させ、ドラマの展開と共に泣いて笑って自分を慰めているのではないかと分析されている。

・高学歴・低所得層は「ロマンティックなドラマ」が好き
高学歴・低所得層はロマンティックなアイドル劇を好む傾向にあるという。日本の『花より男子』や『ごくせん』、韓国ドラマなら『シティハンター』だ。現実には起こりえないことが「もし自分の身に起こったら」とワクワクしながらドラマを楽しむのだという。

・中国市場における韓国ドラマの地位を知る上で重要な調査結果
この調査結果は韓国や中国で「中国では、日米ドラマは高所得層に好まれ 韓国ドラマは低所得層に好まれる傾向」として紹介されている。調査について、カン教授は「中国市場で韓国ドラマがどのように位置づけられているのか、また、中国の消費者のドラマへの要求がどのようなものかを知る上で重要なものである」と結論づけている。

中国では上記のような結果が出たというが、これは中国市場ならではの事情なのだろうか? 同じ調査を他の国で行うとどうなるか気になるところだ。 

参照元:東亜ドットコム(韓国語)
Photo:Rocketnews24.