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総人口約70万人、出雲大社をはじめとする寺社や古墳を多く有する島根県。近年、漫画家水木しげる氏の妻の自伝がテレビドラマ化され、彼女の出身地(島根県安来市)として知る人も多い。そんな島根のあるあるをご紹介したい。
 
・島根出身者は納得
このあるあるは、島根県松江市で生まれ育った記者(私)がまとめたものだ。島根県出身者(特に県東部の方)であれば、きっと納得してもらえるに違いないだろう。

1.島根と鳥取を混同されると、無性に腹が立つ
「島根ってでっかい砂丘のあるところでしょ?」、「ああ、鬼太郎ロードのあるところだ!」、「わかった! 日本で唯一スタバのない県でしょ!」。違う! それは鳥取県だ! 鳥取は砂と妖怪で有名な、スタバのない県である。同じ山陰地方ではあるが、一緒ではない。他県の人から見れば同じように見えるかもしれないが、混同されるとイラっと来ることがあるので、ご注意を(もしかしたら、鳥取の方も同じように感じているかもしれない)。
 
2.腸感冒(ちょうかんぼう)という病名があると信じている
皆さんは「腸感冒」という病名をご存じだろうか? 記者はてっきりこの言葉は正式な病名だと思っていたのだが、実はこれ「感染性胃腸炎」のことである。全国的に使われていると思ったのだが、島根でも出雲地区を中心に限られたエリアだけしか使われていない言葉だ。この言葉、島根の病院では普通に使っている。おそらく多くの島根県人が、正式な病名だと信じているはず。
 
3.「かかーかーかかーか?」の意味がわかる
出雲弁では、一文字だけで意味を表す言葉がいくつかある。たとえば「わ」は貴方(場合によっては自分)や、「し」は人(人々)。「か」もそのひとつで、「かかーかーかかーか?」と言った場合、「お母さん(かかぁ)、これは(かー)、かかりますか?(かかーか?)」ということになる。もちろん島根県出身者(特に東部)の人は、聞いただけでわかるだろう。
 
4.出雲大社を知ってる人は多いが、島根県を知らない人が多くて不満
島根と言えば、出雲大社だ。全国的に出雲大社を知る人が多いのに、島根を知らない人が多い。「1」にも挙げたが、島根出身であることを告げると「島根ってどこ?」と言われることもしばしば。ひどいときには「それ何県?」と聞かれることさえある。しかし「名所は出雲大社」というと、「知ってる!」とか女性の場合「縁結びの神様でしょ! 行ってみた~い」という始末。せめて行きたいというのなら、どこにあるかだけでも調べるべきだ。そんなんだから……。
 
5.ビックリするほど出雲大社に通う友人がいる
先にも挙げたように、出雲大社は縁結びの神様として知られている。したがって、切実に縁を結びたい人はかなりの頻度で通う。記者の友人は、年中行事に関係なく出雲大社に通い詰めていた。その理由は当然縁結び。つまり恋人が欲しいのだ。そのご利益があったかどうかは不明。通い詰めていたところを見ると、どうやら思わしくなかったのかも……。

余談だが、出雲大社にカップルで行くと別れるというジンクスがある。神様がカップルに嫉妬すると言われている。その真偽は不明だが、カップルでの参拝はやめておいた方が良さそうだ。
 
6.関西弁になじみにくい
中国地方でも出雲弁は、他県と比べるとやや特殊かもしれない。特に島根県東部は独自の言葉や、独特のイントネーションを持った言葉が多い。西日本にありながら、東日本の言葉と通じるイントネーションを持っている。とりわけ、東北弁と相通じるところがあるのも出雲弁の特徴だ。そのためか、関西に近いのに関西弁にはなじみにくい。カメラを関西弁で「カ ↓ メ ↑ ラ ↓」と言われると、違和感を覚えてしまう。
 
7.神社仏閣・遺跡が多すぎて、覚えられない
出雲神話ゆかりの地であり、貴重な神社仏閣・遺跡が多数現存する島根だが、有名な寺社しか知られていない。とにかく数が多い。県民ながら、そのすべてを把握していないのは不勉強かもしれないが、県内でも広い範囲に分布しているため、足を運ぶのも一苦労だ。できることなら全部を訪ねてみたいところだが、どこに何があるのかさえも覚えられない。
 
8.訪問の時刻を指定すると、「それ出雲時間?」と聞く
一般的に訪問の時刻を指定したとすると、その時間に合わせて到着するように行動するはずである。ところが、島根には「出雲時間」というものがある。これは特定の時間を指すものではなく、指定の時刻よりも遅れて行くことを意味する。相手の自宅に訪問する場合は、「出雲時間で来て」と言われると、あえて遅れて行くことになる。

「時間に遅れるのは、失礼じゃないか!」という声が聞こえてきそうだが、訪問される側は客を招く準備が必要だ。準備不十分のまま訪問するのは失礼になる。そこで、あえて遅れて行き、十分準備の整った状態で招かれるのが、「礼」であるとする考え方だ。その風習が転じて、遅れることを「出雲時間」というようになったそうだ。現在では「出雲時間で来て」と言われた場合は、「ゆっくり来て」という意味が込められる。
 
ちなみに世界で初めて缶コーヒーを作ったのは、島根県浜田市の「ヨシタケコーヒー」ということはあまり知られていない。
 
Photo:Rocketnews24