2013-07-05_173519
先日、テレビ番組で2013年4月に女児を出産していたことを明かしたフィギュアスケートの安藤美姫選手。世間はおろか、スケート連盟も安藤選手の妊娠・出産を把握しておらず、この告白には日本中が驚いた。

安藤選手は女児の父親を明かしていない。「父親は誰なのか」、「子育てとの両立は大変なのでは?」と多くの人が注目している。そんななか『週刊文春』が「緊急アンケート 安藤美姫選手の出産を支持しますか?」というアンケートを行い物議をかもしている。その内容は以下の通りである。

・「安藤選手の出産を支持するか」というアンケート

問題視されたのは『週刊文春』が、7月5日にウェブ上で行ったアンケートだ。「緊急アンケート 安藤美姫選手の出産を支持しますか?」というタイトルのアンケートでは、

「この突然の告白に対し、出産を祝福する声が上がると同時に、まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問や、子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判もあります。」

とした上で、

「1)あなたは安藤美姫選手の出産を支持しますか? 」
「2)子育てをしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」

という設問を読者に投げかけた。

・インターネット上で物議

確かに、今回の安藤選手の告白には多くの人が驚いた。また、オリンピックを目指すアスリートの生活となるとそれだけでも大変。子育てとの両立は家族の理解と協力を得たとしてもたやすいことではない。

とはいえ、それは安藤選手自身が最も知っていることであり、しかも4月にすでに無事に出産を終えている。そこにきて「(生まれた子どもの)出産を支持するかどうか」という設問である。このアンケートはインターネット上で物議をかもし、著名人を含む多くのネットユーザーが抗議の声をあげた。

・ネットユーザーの声

「意味が分からない」
「出産に支持も何も…」
「生まれてくる子供はいつか、自分が生まれて良い存在かどうか問われたことを知ってどう思うのだろう。」
「この手の質問は下衆の極みって感じ」
「大きなお世話。バカじゃねーの」
「週刊文春は明らかに安藤さんの人権を侵害している。皆さんと同様、私は悲しい。」
「週刊文春は、出産を経て仕事を続けようとするシングルマザーを切る!」
「仮に反対だったら何なの?赤ちゃん殺せばいいの?」
「出産を支持するとかしないとかお前ら神かよ」
「シングルマザーは、良くないなんてのは偏見も良いところでしょう。産まれて来る命を祝福もせずにただ好奇の目に晒す。今回の文春のアンケートに怒りを感じたのはそう言った所なんです。」
「実質、質問に書いてあることはこういうこと。// あなたはあなたの出産を支持しますか? 子育てをしながら仕事をすることに賛成ですか? //」

・ネットユーザーの抗議が殺到し炎上

インターネット上では、「なぜ生まれてきた子どもを祝福しないのか」、「安藤選手の人権侵害にあたるのではないか」、「シングルマザーという生き方を否定するのか」という点での批判が多いようである。アンケートページには抗議やアンケートの取り下げを求める声が殺到し、炎上状態となった。

・文春が謝罪

これらの声を受けて7月5日15時頃、『週刊文春』はアンケートを取り下げた。そして新谷学編集長名義で

「女性の出産という大変デリケートな問題にもかかわらず、設問を「出産を支持しますか?」「子育てしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」としてしまったために、出産そのものを否定したり、働きながら子育てをすることを批判しているような印象をあたえてしまいました。その点については、編集長の私の責任です。このアンケートに関して不快な思いを抱かれたすべての方にお詫び申し上げます。」(『週刊文春Web』より引用)

と謝罪文を掲載した。

・謝罪後も批判の声は収まらず

しかし、謝罪文掲載後もインターネット上では「誰への謝罪なのか」、「安藤選手に謝るべきでは?」、「アンケートを実施した意図を明らかにすべき」と依然として批判の声が噴出している。

第一線の選手として活躍中の妊娠・出産、そして新たにオリンピックを目指すという決意に至るには、安藤選手は相当の覚悟が必要だったはずだ。安藤選手の話すように見事ソチ五輪の切符を手に入れるためにも、育児や競技に集中できる環境が整うことを願わずにはいられない。

参照元:週刊文春