2013-06-21_224331
サッカーのゴールキーパーは、ゴールポストの前に立つ最後の砦。ゴールを守り、そしてピッチ全体に気を配る、まさしくチームの「守護神」である。

先日、ボスニア・ヘルツェゴビナで行われたサッカーの試合で、その守護神が危機に見舞われた! なんと試合中に銃弾が飛んできてそのまま頭に命中したというのだ!! だが、キーパーは痛みに耐えつつゴールを守り続けたのである。

・ゴールキーパーが突然の頭痛に襲われる
サラエボ市、この日、アマチュアのサッカートーナメントが行われていた。ダスコ・クルタリツァさん(51)はゴールキーパーとして試合に臨んでいたそうだ。

試合中、ダスコさんは何かが頭にぶつかったのを感じたという。そして激しい頭痛がしたというが、彼はゴールポストにでも頭をぶつけたのだろうと思い、そのまま試合にフル出場。わずか1点しか取られないという好守備を見せていた。

・試合終了後に体調不良を訴え救急搬送
だが、試合終了後、ダスコさんは腕のしびれを感じた。さらに、話すのさえも困難になったという。これはただの負傷ではなさそうだ。ダスコさんはすぐに救急搬送された。

・頭に銃弾が刺さっていた
搬送されたダスコさんを見て驚いたのは医師だろう。検査をしたところ、ダスコさんの頭蓋骨に9mmの銃弾が刺さっていることが判明したのだ! 試合中に感じた頭痛はゴールポストにぶつかったのではなく、銃弾が頭に命中した痛みだったのである!!

すぐに銃弾摘出の緊急手術が行われた。病院のスポークスマンによると、手術は無事に終了。ダスコさんは集中治療室に入ってはいるものの、健康状態は極めて良いという。

・結婚式で撃たれた「祝砲」の流れ弾
それにしても銃弾はどこから飛んできたのか。警察の調べによると、当日は隣村で結婚式が行われており、42歳の男性が「祝砲」として空に向かって銃を撃っていたことがわかったそうだ。ピッチの周りには他にも銃弾が落ちており、男性は地元警察に逮捕されている。

空に向かって撃った銃弾が頭に命中してしまうとは、何とも不幸な出来事。しかし、それでもプレーを続け、かつ命まで取り留めたダスコさんの集中力と生命力、そしてサッカーへの情熱はかなりのものだと言えるだろう。

ダスコさんは現在も入院中とのことだが、一日も早く回復し、またサッカーを楽しめるよう願わずにはいられない。

参照元:Dnevni avaz(クロアチア語)
執筆:沢井メグ