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マンガを描いて金を得る、それがプロの漫画家だ。誇り高き彼ら漫画家に、「オススメの漫画を教えて下さい」と聞いたところで、おそらくほとんどの漫画家が「それは私の漫画である!」と自信を持って答えるであろう。いや、そうであってほしい。

だが、彼ら漫画家にも心からリスペクトしている他人の漫画作品はあるものだ。ということで今回から始まった連載『プロ漫画家がオススメする他人の漫画ベスト10』。記念すべき第1回目のプロ漫画家は……

当サイトでも頻繁にイラストや漫画を執筆しているキャリア14年目のプロ漫画家、マミヤ狂四郎氏である。彼がオススメする漫画ベスト10は以下のとおりだ!!

10位:『最狂超(スーパー)プロレスファン烈伝』徳光康之(著)
プロレスを題材にした漫画は数あれど、プロレスファンの心理を見事に描き倒した名作中の名作。はみ出すほどのプロレス愛。そして、号泣必至の感動的な最終回。雑誌連載終了後に別の出版社から発売された書き下ろしの4巻は、別の意味で号泣だ。プロレスファンなら必読の書。

9位:『首斬り朝』原作:小池一夫、作画:小島剛夕
舞台は江戸時代。死刑執行人の山田朝右衛門(やまだあさえもん)を描いた劇画中の劇画作品。小島剛夕(こじまごうせき)先生の渋すぎ&完璧すぎる作画もさることながら、小池一夫先生が織りなす壮絶すぎるストーリーと印象的なセリフにも注目。読めば気分はサムライでござる。

8位『サバイバル』さいとうたかを(著)
もはや説明不要、名作中の名作。主人公のサトルをおそった突然のサバイバル生活。あまりにもリアル、あまりにも細かい描写に、小学生時代の漫画家マミヤ氏は、図書館で立ち読みしながらシビれまくったという。むろんマミヤ氏は『ゴルゴ13』も愛読。「ゴルゴ一冊は映画一本に相当する」が彼の持論だ。

7位『漂流教室』楳図かずお(著)
これまた説明不要の名作中の名作。また、これまたマミヤ氏は小学生時代に図書館で出会い、何度も借りては重要キャラ「関谷」のキャラに悶絶したという。ダァダァ。「次の巻が絶対に読みたくなる強烈すぎる引き」は、何度読んでも唸るばかり。

6位『あんたっちゃぶる』鈴木みそ(著)
ファミ通(ファミコン通信)に連載していたゲーム業界などを題材としたルポ漫画。マミヤ氏のルポ漫画の源流はここにある。作品との出会いは小学生時代。数十年後、マミヤ氏は鈴木みそ先生と飲み会の席で出会うことになるが、恥ずかしくて上手く話せなかったらしい。

5位『しあわせのかたち』桜玉吉(著)
同じくファミ通(ファミコン通信)に連載していた日記マンガ。単行本でいうなら4巻、5巻であるとのこと。マミヤ氏の日記マンガの源流はここにある。あまりにも桜玉吉先生に影響を受けすぎて、マミヤ氏本人も鬱病になるなど、ファミ通マンガに影響受けすぎなマミヤ氏なのであった。

4位『ちびまる子ちゃん』さくらももこ(著)
もはや説明の必要なし。小学生時代、姉の影響で『りぼん』の愛読者になってしまったマミヤ氏は、必死に「さくらももこタッチ」を練習していたという。テレビアニメ化したときには、なぜかテレビの前で万歳した。エッセイからも影響大。マミヤ氏の文章の源流はここだ。

3位『流星課長』しりあがり寿(著)
数々のしりあがり寿作品に熱中していたマミヤ氏だが、『流星課長』への思い入れは尋常ではない。グングンと引き込まれていくストーリーと、圧倒的なスピード感、そして「それを題材にするか!」という衝撃。数年後にマミヤ氏が描いた『ドンマイ急行』は『流星課長』への憧れからだ。

2位『柔道部物語』小林まこと(著)
なんと2位に入ったのは、これまた名作中の名作だ。「ここまでの臨場感とスピード感がマンガで表現できるのか!」と、小学生時代に感動しまくった柔道漫画。物語の最初から最後まで、一切の無駄もなければ、足りないところも皆無。完璧すぎる11巻。必読である。

1位『お父さんは心配症』岡田あーみん(著)
マミヤ氏の『お父さんは心配症』にかける思いは、「お父さんは心配症狂」といっても差し支えないレベルである。日常生活で何かがあったら、すぐに「お父さんは心配症でも同じようなことがあった」とつぶやき、どんな話で、誰が何を話したかも瞬時に言えるほどだ。

テンポ、ギャグ、そして「間」、さらにスピード感と、絶妙な「抜き具合」は、後のマミヤ氏の作品に果てしない影響を与えることになる。もしもまだ『お父さんは心配症』を読んだことのない人がいたら、絶対に読んでいただきたいと彼は力説。気持ちよいほどのあーみん信者である。

――以上10作品が、第1回目のプロ漫画家・マミヤ狂四郎氏がオススメする他人のマンガ作品だ。わりと古めのメジャー作品が多いのは、マミヤ氏が最近の漫画を読んでいないからなのかもしれない。第2回に登場するプロ漫画家は誰なのか。乞うご期待だ!

選者:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.

▼ちなみにこれらがマミヤ氏の代表作だ。Amazonでは古本が投げ売りされているぞ!
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