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さあて、どんどん暑くなってきた! さらにジメジメしてきたぞーッ!! ……となると、存在感を増してくるのが黒光りした音速の特攻アウトロー野郎・ゴキブリである。まもなく奴らの季節がやってくる。というか、実はもう来ている。

そんなゴキブリに対し、圧倒的な威力を発揮する史上最強のゴキブリハンター「アシダカグモ」については昨年2012年の梅雨頃に紹介した。まだ見ていない人は今すぐチェックしてほしいのだが、今回はそんなアシダカグモ先生がどれだけスゴイのかよく分かる体験談をご紹介したい。

・南インドの安宿
今から約8年前。南インドのコーチンという街の安宿に泊まった私(筆者)は、不思議な空気を感じていた。その安宿はレストランと同フロアにあり、なんと部屋は厨房の目前なのだ。ドアを開けたら厨房の入り口。そんな宿だった。

・ゴキブリが出る条件が揃うのに……
何が不思議なのかというと、ずばりゴキブリが出ないのである。「インド」「安宿」「ジメジメした暑い時期」「厨房の前」という絶望的な条件が揃っているのに、なぜだかゴキブリがいないのだ。なぜいないのだ。すぐそこにメシがあるのに。

・夜中でも出ない
あまりにも居心地がよく、一週間ほど宿泊した。その間、本当にゴキブリが出なかった。トイレは「レストランと共用」だったため、夜間には部屋を出て厨房横のトイレを利用していたが、真っ暗闇のフロアでさえもゴキブリはいない。

・虫トイレ
ただし、トイレが変だった。2つのトイレがあるのだが、1つはキレイ。もう一つは「虫だらけ」だったのだ。どんな虫がいるのかというと、大量のアリに、蛾みたいな変な蝶類、あとは小さいムカデみたいなヤツらに、便所コオロギみたいなヤツらである。

・人間の世界と虫の世界
虫トイレの状況は、まさにジャングルだった。おそらく数千匹の生物がここにいる。床はアリの大群で動いて見える。そんな状況であった。よって、レストラン利用者も宿の利用者も「キレイなトイレ」しか使っていなかった。もちろん私もだ。

・勝手に掃除することにした
チェックアウト前日。レストラン兼安宿のスタッフにいろいろ親切にしてもらった私は、お礼の意味を込めてトイレを勝手に掃除することにした。殺虫剤を大量に買い込み、洗剤やタワシなども用意した。汚れても構わない服装に着替え、いざ虫トイレへ!

・大量殺戮
スプレー式の殺虫剤を3缶ほど噴霧しつつ、ホースで水を撒きまくり、アリなどの虫は一掃できた。よし、もうちょっとだ……と思ったその時! 何やら視線を感じたのだ。よく見ると、そこには巨大すぎるクモがいた。今にして思えば、彼こそがアシダカグモだった。

・最後に残ったのは彼だった
まるでジャングルの頂点に立つライオンのごとく、アシダカグモは威厳と強さに満ちあふれていた。さらに「おのれ、私の管理していたジャングルを……」という声さえ聞こえてきた。すさまじい存在感。私はこの時、愚かにも、単なる毒グモだと思っていたのだ。

・まさにキング
殺虫剤を直にかけても通用しない。ゴキブリよりも速いスピードで移動しまくる南インドのアシダカグモ。ブラシで何発か叩いても、まだまだ闘志は消えてはいない。なんというタフな巨大グモ……。まさに家の中の王者、キングの貫禄である!

・忘れられない捨てゼリフ
結局のところ、アシダカグモは死んだ。というか私が殺してしまった。その時、「この先、このレストランがどうなるか……お前には分かるか!」という声が聞こえてきた気がした。私がやってしまったこと、それは「安宿の治安を守る警察官を殺してしまった」のと同等だったのだ!

・陰ながら仕事をしていたアシダカグモ
おそらく、厨房だというのにゴキブリが出なかったのもアシダカグモ先生が確実に始末していたからだろう。他の虫が目立たなかったのも、アシダカグモ先生が「虫トイレ」という場所に一大ジャングルを作り上げ、囲い込んでいたからであろう。まちがいない。

・次なるハンターが配置されたことを切に願う
宿のスタッフは「綺麗になったね!」と喜んでいたが、今にして思えば悪いことをした。アシダカグモを100匹プレゼントしたいほど懺悔の気持ちでいっぱいである。その後、そのレストラン兼安宿がどうなったのかは私は知らない。次なるゴキブリハンターがレストランに配置されたことを願うばかりである。

執筆:GO

▼ここが宿
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▼トイレは2つ
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▼すぐそこが厨房
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▼わりと部屋はキレイ
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▼必見アシダカグモ動画