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「景気回復の予兆」と言われても、なかなか庶民には実感がわかないと言われて久しいが、厳しい戦いを強いられているのは企業も同じだ。先日、米国メディア『24 / 7ウォールストリート』が、「米国市場で2014年までに消えていそうなブランド10選」を発表し話題となっている。

日本のメーカーや、あの海外の有名ブランドまで……アメリカではそんなことになっていたのか!? 

【2014年には米国市場から消えていそうなブランド10選】

1. 電子ブックリーダー「Nook」
「Nook」は2009年に発売された電子ブックリーダーだ。OS は Android。Amazon の Kindle、そしてアップルの iPad に完全に押され生存は絶望的だ。

2. 日本のカメラ「オリンパス」
世界のデジカメのシェアは「キヤノン」、「ニコン」、「ソニー」の3社で占められている。加えてスマートフォンの普及でコンパクトデジカメの需要も減っており、非常に厳しい状況だ。

3. 日本の自動車「三菱モータース」
日本車のなかで、なかなか存在感を発揮できなかった三菱ブランド。「ランサー」や「エクリプス」などヒットした製品もあったものの、販売台数は下降。低価格だったのに売れなかったのはラインナップの少なさも原因のひとつではないかと見られている。

4. スウェーデンの高級車「ボルボ」
スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」は日本では有名だが、アメリカでの市場シェア率はたった0.3パーセントだ。アメリカにおける競合相手は GM やトヨタ。これではもう太刀打ちできないだろう。

5. 女子プロバスケリーグ「WNBA」
「WNBA」は1996年に誕生した女子の全米プロバスケットボールリーグだ。観客動員数はふるわず「WNBAの損失をNBAが補填している」と批判されるほど。加えて、設立者であるデビッド・スターン氏が2014年2月に退任することが決まっており、これ以上の継続は困難だと見られている。

6. クーポンサイト「LivingSocial」
クーポンサイト「LivingSocial」。グルーポンに次ぎアメリカ第2位のクーポンサイトと言われたが、eBay、アメリカン・エキスプレス、Amazon など膨大な顧客データを持つ強力なライバルの出現に、もはや虫の息である。

7. 携帯電話サービス「リープ・ワイヤレス・インターナショナル」
加入者が増えず、収益が上げられないのが最大の原因だ。テコ入れとして iPhone も導入したが、結局、大量に売れ残って重荷になってしまったようだ。

8. 老舗デパート「J.C.ペニー」
アメリカの大手デパートチェーン。ウォルマートなど激安路線のショップや、他のデパートに押され、長らく経営難に陥っていた。加えて Amazon や eBay などECサイトが強力なライバルとして台頭しており、同社の建て直しは困難だと見られる。

9. 雑誌『マーサ・スチュワート・リビング』
『マーサ・スチュワート・リビング』は、日本でもカリスマ主婦として知られるマーサ・スチュアートさんが経営する出版社の主力雑誌だ。近年、販売部数と広告収入が落ち込み、廃刊の危機であるという。

10. カー雑誌『ロード&トラック』
アメリカで最も歴史のある自動車専門誌であるが、やはり広告収入の落ち込みにより存続の危機に陥っている。ウェブ版は生き残ると見られているが、雑誌版の存続は絶望的だ。

――以上である。ちなみに『24 / 7ウォールストリート』は毎年「消えていそうなブランド10選」を発表しているのだが、昨年度は日本の「スズキ」が選出された。そして残念なことに、その言葉通りスズキは1年以内にアメリカから撤退している。オリンパスや三菱は踏ん張ることができるのだろうか? 海外で頑張る日本企業、ブランドを見守りたい。

参照元:24/7ウォールストリート(英語)