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中国の四川省で2013年4月20日に発生した地震で、22日現在、死者と行方不明者あわせて200名を超えたと伝えられている。その被害のほとんどが建物の倒壊によるものだそうだ。

2008年の大地震でも大きな被害を出した四川省。その後、耐震基準が見直されたはずだったのに、その教訓が生かされなかったと批判の声が上がっている。中国共産主義青年団系の新聞さえも「日本の耐震技術を見習うべきだ」「中国はこの問題に日本ほど真剣に取り組んでこなかった」と強い口調で論じているのだ。

この論評を掲載したのは、共産主義青年団系の新聞『中国青年報』だ。概要は以下の通りである。

【中国青年報の論説概要】

・耐震基準は「マグニチュード8、震度9にも耐えられるもの」だったはず
今回の地震では、現地のほぼ全ての建築が被害を受けた。その中には2008年の四川大地震(汶川地震)後に建てられた建物も含まれている。
汶川地震後の耐震基準は「マグニチュード8、震度9にも耐えられるもの」になったはずだ。今回の地震はマグニチュード7、震度は9程度だった。本来なら汶川地震後に建てられた建物は「人々の命を守る船」になるはずだったのに、その役割を果たすことができなかった。

・なぜ日本にできて中国にはできないのか → 中国は真剣に取り組んでこなかったから
東日本大震災でも多くの人が亡くなったが、その被害のほとんどは津波によるものであり、建物の倒壊によるものではない。

日本の耐震基準が「震度7」と中国の震度9よりも低く設定されているのに、このような差が出たのは、想定される建物の使用年限や、建材の質の差もあるが、やはり「中国は真剣に取り組んでこなかった」ということも挙げられる。

――以上である。

この全面的な批判ともとれる論評に不快感を示す中国ネットユーザーも少なくない。

・上海の場合、震度4程度の地震でも危険
だが、中国上海市に勤める公務員に聞いてみたところ「中国の建築は中規模の地震でも危ないと思います。中国は日本より地震は少ないですが、一度起きたら大変。上海の場合、震度4程度の地震でも危険だと言われています」と話していた。

「震度4」の具体的な根拠はわからないが、とにかく日本よりも耐震強度がずっと低いのは事実とのこと。そんな建物に住んでいて怖くないのか、と聞いたところ「ここは中国だから仕方がない」と話していたが……。

2008年、そして2013年と四川省で起きた2回の地震で家族を失った人もいる。遺族のことを考えると「仕方がない」では済まされない。今度こそ地震の教訓を生かしてほしいところだ。

参照元:中国青年報(中国語)
執筆:沢井メグ