先日、美容院で出された雑誌に「芸人の影響なのか、一般男性が配偶者のことを『嫁』と言うことに違和感がある」といった内容の読み物が掲載されていました。そういえば、「うちの嫁が……」という言い回し、ちょくちょく聞きますよね。なるほど、あの言い回しは芸人さんの影響でしたか! 

いや、芸人さんの影響というよりも、正確にいうと関西地方の影響のようです。そういえば、筆者は学生時代を神戸で過ごしましたが、バイト先の店長も「うちの嫁が……」と言っていた記憶があります。「嫁」という言い回しに関して驚いたのが、否定的な意見の多さです。

・「うちの嫁」への否定的な意見
「配偶者に対して威張っているようだ」
「配偶者を、所有物扱いしている気がする」
「そもそも『嫁』という言葉は、外部から家に入ってきた女性という意味合いで、舅や姑が使う言葉なハズ!」

等々……。「嫁」という言い回しが所有物扱いと感じる人は、インターネット上でお気に入りの二次元キャラを、「俺の嫁」や「虹嫁」と呼ぶ風潮に影響されているのかもしれませんね。二次元キャラクターをモチーフにした抱き枕やフィギュアがごまんと出回っている時代ですから、「物扱いっぽい」というイメージが湧いてしまうのでしょう。

・妻というニュアンス
舅や姑じゃあるまいし……という意見に対してですが、言葉のニュアンスは変化するものです。ひと昔前までは、「外部から家に入ってきた女性」という意味合いでも、最近では「妻」というニュアンスでも使われるようになってきています。

・「うちの嫁」に好意的な意見も
一方で、女性陣のなかには、「嫁」という言い回しに好意的な印象を持つ人々も存在します。「相手男性が、自分をパートナーとして認識している証と捉えているので嬉しい」という考え方です。所有物扱いされることに、むしろ喜びを見出すという女性もいました。たしかに、物を所有するには責任が伴います。無責任オトコよりは、よっぽど魅力的といったところでしょうか。

・「相方」という言い方
筆者も、「嫁」という言い回しには肯定派です。むしろ、違和感を抱いたのが「相方」という言い回し。友人が、自分の恋人を「相方が……」と言っているのを聞いて、当初は「漫才コンビでも組んだのだろうか?」とクエスチョンマークが浮かんでしまいました。そのほか、ご紹介したいエピソードとしては、外見は超ビジュアル系の20代前半の既婚男性が、「妻が……」と発言した際は、そのギャップをたいそう魅力的と感じました。

嫁、相方、妻……ほかにも「ワイフ」や「ハニー」など言う人もいるでしょう。TPOによっては不適切な場合もありますから、上手に使い分けたいものですね。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ