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デビューから36年、シンガーソングライターとして活躍する長渕剛。数々のヒット曲を世に送りだし、精力的に活動しています。彼が今年56歳になることを、とても信じられません。

そんな剛がトークバラエティ『しゃべくり007』(日本テレビ)に出演、これまでの逸話を披露しました。しかも番組のなかで、バンドメンバーにマジ切れする剛の姿が映し出され、それを見たお笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の上田晋也は、「俺だったら失禁する」と驚きをあらわにしていたのです。

・いきなり全員腕立て
同番組の2013年3月18日の放送は「春の男祭り」と題されていました。その名の通りに、登場したゲストは長渕剛。他の出演者らは、剛の登場に「うおおお!」とうろたえ、「バラエティに出るんですか?」と困惑している様子。そこで剛はいきなり全員に円陣を組むように命じ、全員で腕立て20回を行ったのです。番組収録に向けて、気合いを入れたかったとのこと。その狙い通りに、全員気迫みなぎる顔つきに変わったのです。

・先輩拓郎の試練
「長渕剛の名言007」のコーナーで、剛の意外な過去が明かされました。1978年に本格的にデビュー(1977年に『雨の嵐山』で歌手としてデビュー)し、今でこそシンガーとしての地位を確立しています。しかし剛にも無名時代はありました。デビューして二年目に、吉田拓郎の愛知県篠島のコンサートにゲスト出演。そのとき拓郎は、剛を観客に紹介せずにステージに上げたのです。当然観客は戸惑い「お前誰?」といった雰囲気が会場を支配したそうです。これはある意味、拓郎からの試練といっても過言ではでしょう。

・帰れって言うんだったら、お前が帰れ!
この日のステージは2万人の観客が集まったといわれています。そのほとんどが拓郎ファン。当時ライブハウスで10人集まればいい方だった剛を、知る人はほぼいなかったはず。剛を知らない一部の観客から「帰れ!」と野次られる始末。ですが、剛は意地でも歌い抜くと決めており、熱くなって思わず「帰れって言うんだったら、お前が帰れ!」と叫んだのです。その後の演奏で力んだ剛は、ギターの弦を切りまくり、最後は6本の弦のうちの2本しか残っていなかったそうです。それでも剛の熱意は伝わり、拍手喝采を受けてステージを降りました。

・拓郎の言葉
ステージを見ていた拓郎は後に、剛にこんな言葉をかけています。「お前、今日は美しかったぞ」。このことについて剛は、「あれがなかったら、今はなかった」と振り返っています。

・落ち込めもっと!
また、ライブに対する姿勢をうかがわせるエピソードも紹介されました。年間180日もステージに立つ剛は、表現に対して妥協を許さないようです。3月20日に発売のライブBlu-ray / DVDボックス『THE TRUTH』には、そんな厳しい姿勢を垣間見せる場面が収録されています。バンドのギターリストがミスをしたことに激高し叱責。

「銭金の問題じゃないところで、みんな頑張ってんだろッ! だったらよう、ちゃんとやれよッ!! 命かけてやってんだから。落ち込めもっと! 以上!!」

上田晋也はその映像を見て、「失禁する」と冗談を言っていましたが、誰が見てもそのくらいの恐怖を感じるはず……。しかしライブのパフォーマンスにこだわり続ける剛だからこそ、真剣に怒ることができるのかもしれません。

・命をぶつける詩画
剛は楽曲の制作だけでなく、約15年ほど前から詩画(しが)の制作も行っています。3月20日からは東京・表参道ヒルズを皮切りに、全国5カ所で詩画展を開催する予定です。公開された詩画展のトレーラー動画には、彼の制作風景が収録されています。巨大な半紙に向き合う姿は、「壮絶」の一言。まるで紙に命をぶつけているようにさえ感じられます。「殺気 黒い血が流れる日」と題された個展は、必ず見る人の心に、衝撃を与えることでしょう。

ちなみに東京・表参道ヒルズでの展示は3月23日まで。詩画展は、名古屋・鹿児島・大阪・仙台で順次開催予定です。お近くの方は足を運ばれると良いでしょう。それ以外の地域の方は、ニコニコ生放送でパフォーマンス生中継が予定されています。剛の渾身の表現を、その目に焼き付けて頂きたいと思います。

参照元:長渕剛特設ページ,ニコニコ生放送「長渕剛『詩画』公開パフォーマンス生中継」