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不朽の名作『鉄腕アトム』! 主人公のロボット・アトムは、自分で考え、自由自在に空を飛び、パワーは10万馬力、60カ国語以上を話し、しかも人間の心の善悪まで感じることができる。

その現在のテクノロジーでも実現できないスーパーロボット・アトムの記憶容量をご存知だろうか? 一説によると15兆8000億ビット、換算すると約2TB(テラバイト)なのだという。

15兆8000億ビットという記憶容量は、『鉄腕アトム』の原作の初期設定であるそうだ。この容量はどれくらいのものなのだろう。1バイト=8ビットなので計算すると

15兆8000億ビット
=1兆9750億バイト
=197万5000MB
=1975GB
=1.975TB 
=約2TB

となる。

さらに2TBという数字を身近なものと比較してみると……

・ファミコンカセット(1MB):197万5000本
・3DSソフト(4GB):約494本
・DVD(片面1層4.7GB):約420枚
・ブルーレイ(片面1層25GB)79枚

である。

ファミカセ197万本というと途方もない数字に見えるが、ブルーレイ79枚と言われると大したことがないように聞こえる。ちなみに、ヨドバシカメラでは2TBの外付けハードディスクは一番安いものだと1万円で購入できるようだ。なんだかすごいのかすごくないのかよくわからないぞ……。

そこで、アトム2TB説について、工学系の研究者聞いてみた。

「現状の技術ではアトムのようなロボットを作るのは不可能です。アトムの舞台は科学が進み、2TB位の記憶容量でも高度な人工知能を動かすことができる世界なのでしょうね。容量が多いか少ないかは別として、“ビット”という現代でも理解しやすい表現が使われているのは興味深いです。これは、既成概念を覆すようなテクノロジー革命を続けていかないとアトムのようなロボットはできないよというメッセージなのかもしれませんね」(研究者)

実際に手塚治虫先生がどこまで想定して2TBという数字をはじき出したのかは先生本人に聞いてみないとわからない。しかし、アトム誕生の当時にこのような概念を漫画に持ち込んだ手塚先生はやっぱりスゴイ! いつの日かアトムのような心優しいスーパーロボットが誕生する日がやってくるのだろうか。心待ちにしたい。

執筆:沢井メグ
photo:Rocketnews24.