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こんにちは! 2013年1月2日発売のアップル福袋『ラッキーバッグ2013』を誰よりも早くゲットするため、東京・渋谷のアップルストアに並んでいた田代という男児です。ラッキーバッグとは、アップルが毎年発売している超人気の福袋のこと。

当たりの福袋には MacBook Air や iPad などの高額商品が入っているそうです。僕はそれを買うため2012年12月25日から渋谷アップルストア前に並び始めました。いちばん早い人には MacBook Air が当たるという噂があったのです。そして計8日間の長い旅の末、ついに2013年1月2日、念願のラッキーバッグをゲット!

しかし僕が手にしたアップル福袋には欲しかった MacBook Air は入っておらず、iPod nano が入っていました。とほほ……。でも今回、8日間も渋谷アップルストアに並び続けたなかで、僕はこの福袋の中身よりはるかに価値のあるものを学び、そして手に入れることができました。

その僕が手に入れたもののなかで、特に大きな3つの宝物をここで紹介したいと思います。では、どうぞ!

【No.1 人間の適応力の凄まじさ】
■心配していたのは、寒さと人の目
僕がアップルストア前に並ぶと決心した時に、一番危惧していたのはやはり寒さです。年末とあり、想像絶する寒さが襲ってくるだろうと僕は予想していました。

そして次に心配していたのが、人の目です。人通りの多いアップルストア前に並ぶとあり、多くの人の目にさらされることは必至。その中で精神的に持ちこたえられるのか、僕はとても不安でした。

■生き抜くために、人は変化する
ついにやってきた並び始めの初日、2012年12月25日。僕は25日早朝6時に渋谷のアップルストアに足を運び、そしてそこに家から持ってきた椅子を置きました。今振り返ると、この時が緊張のピークでした。

そこから一日並び続けたのですが、やはりどこか肌寒く、目の前を通って行く人たちの視線が気になって仕方ありません。そうやって肉体的にも精神的にもかなり疲労したまま、初日の夜を迎えました。

そして並び始めて2日目、僕に変化が現れ始めました。まず体感する寒さが、激減しているのです。着ている服の量は同じなのに、感じる寒さが減っているではありませんか! これには自分でもビックリしました。

さらに、自分に向けられる通行人の目も全然気にならなくなり、並び始めて3日目には、道行く人の視線が気にならないどころか、「僕を見てくれ!」というとても変な境地に達していました。

人間の適応力って、凄まじいものです。「生き抜くために、人は変化する」。この人生の教訓を、8日間のアップル生活のなかで身をもって体感しました。

【No.2 最初の一歩を踏み出すことの難しさと素晴らしさ】
■並ぶ前は不安だらけ
並び始めると決めていた12月25日より前は、それはもう不安の日々でした。冬空のもと一週間以上並んだことのある人なんて過去にいないし、「こんなのに挑戦したら、下手したら大事(おおごと)になってしまうかもしれない」とも心配していました。

そのせいか、12月25日の3日前、つまり12月22日ごろから僕は一種のうつ状態になっていました。25日に並び始めることを考えると、「あ~、ホントにやっていけるのかな」、「こんな前代未聞のことに挑戦して、無事に達成できるのかな」と心配事ばかりが頭に浮かび、気持ちもかなりふさぎこんでしまうのです。

■自分の限界を作っているのは、自分自身
しかしいざ並んでみると、慣れていない初日はさすがにきつかったものの、それ以降は思ったより大変ではありませんでした。この経験を通して、僕は次のような考えに至りました。

「自分が絶対できないと思っていることでも、実際にやってみれば、案外大したことないことが世の中にはたくさんあるのかもしれない。しかしその最初の一歩を踏み出すのが、難しい。とてもつもなく難しい。みんな、誰も挑戦したことのない世界に挑むのが怖いんだ。でもその最初の一歩を踏み出した人間が、世の中に変化をもたらす。そしてそこには、その最初に挑戦した人間だけが見られるとてつもなく壮大で、美しい世界が広がっている」

【No.3 人とのつながり】
■アップル福袋がもたらしてくれた最高の福
人とのつながりが、今回僕がアップル福袋から手に入れた最も大きな福といえるでしょう。

12月25日から並び始めて、Twitterで応援ツイートを送って下さったり、実際に渋谷アップルストアまで応援に来て下さったりと、本当に多くの方から励ましの声をいただきました。正直この声がなかったら、1月2日までの8日間を乗り切れなかったと思います。それほどみなさんからの温かい応援には、心助けられました。

この8日間で得た出会いは、間違いなく僕にとって人生最高の宝物です! 一生死ぬまで大切にしていきます! 応援して下さったみなさん、本当に、本当にありがとうございました。

自分の荷物が盗難にあったり、福袋の中身がまさかのiPod nanoであったりといろいろつらいこともありましたが、いくらお金を出しても手に入らないこれらのキラキラ輝く宝物を見ていると、心の底からこう思います。

「並んで、本当に良かった。」

画像:RocketNews24
(文=田代大一朗

▼心臓バクバクで緊張しまくりだった並び始めの初日、2012年12月25日
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▼最初はとても寒く、ひと目にさらされることにストレスを感じていました
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▼でも人間の適応力ってスゴイ! 
だんだん寒さは感じられなくなり、ひと目も全然気にならなくなったのです!
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▼並んでいる時に、自分の荷物が盗まれたり……
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▼ハトくんたちと仲良くなったりと、本当にいろんなことがありました
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▼そんな紆余曲折があったなか、僕の心の支えとなったのが多くの人からの励ましの声でした
こちらは、渋谷アップルストアまで応援しに来て下さった方々からの差し入れ
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▼中にはその場でピザを注文し、サプライズ差し入れを下さる方もいらっしゃいました
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▼1月1日には、毎朝僕に声をかけて下さっていた方が「食べていないだろうから」と
手作りお雑煮を持って来てくれました。あの味は一生忘れません
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▼そして8日間の長い旅の末、ついに手に入れたアップル福袋。中には、なんと!
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▼一番欲しかったMacBook Airではなく、iPod nano等々の可愛らしい福が入っていました
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▼人生、そんなに甘くないですよね……
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▼でもそんなのどうってことない! だって、僕にはたくさんの素晴らしい出会いがあったから!
僕の行動に感化されて、日本のアップル福袋行列に挑戦することを決めた香港人男性(左)と
イタリア人女性(右)
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▼1月2日に共に並び、そして共に大笑いしたかけがえのない仲間たち
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▼無事にアップル福袋をゲットした後、行列仲間とおいしいお酒を飲みに行きました!
左からイタリア人、香港人、台湾人、フランス人という国際色豊かな仲間たち
みんな今回自分が並んでいる時に出会った人たちです!
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▼まだまだ仲間たちとの再会は続くぜ!
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▼一人寂しく並んでいる僕に声をかけて下さった方や、一緒に並んだ大切な仲間たちとも
再会を果たしました
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▼本当に、本当に楽しい時間でした!
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▼みんなiPod nanoを引き当てた強者ばかりだったので、「nano会」なるものを結成し、
来年一緒にアップル福袋行列に挑戦することを固く誓い合いました
あー、仲間ってやっぱり最高!
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▼よーし、この人生の宝物を胸に2013年も頑張るぞ! オオオーーーッ!!
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