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韓国にたびたび観光に出かける男性、木下さん(仮名)の韓国旅日記。今回はウルルンド(鬱陵島)について寄稿頂きました。以下は木下さんによるレポートです。

2012年9月、韓国のイ・ミョンバク前大統領が竹島(韓国名:独島)に上陸したことをきっかけに日韓関係は、一気に緊迫したムードに包まれました。その竹島の経由島として利用されているのが、ウルルンドです。

朝鮮半島から約130キロ沖合いにあるこの島には、約一万人の島民が暮らしています。火山島であるため島の起伏が激しく、水産業だけでなく農業も盛んに行われています。

韓国は国民に対して、ウルルンドに行くことを奨励しています。というのも、この島には独島博物館があり、そこを訪れれば韓国の主張する歴史がわかるためです。また、韓国民に領土意識を強く持たせるために、奨励しているようです。

2011年7月のことにですが、自民党の議員(当時)がウルルンドへの視察を計画していました。しかし韓国政府がこれを拒否し、結局入国禁止の措置を講じました。では、日本人はウルルンドに立ち入ることができないのでしょうか? そんなことはありません。ただ、少々面倒なことが起こる可能性があります。私(木下)が観光で行ったときのことをご紹介しましょう。

・パスポートのコピーと荷物検査
まず韓国本土の港、ポハン(浦項)から出航する際に、パスポートをチェックされます。日本人であるとわかると、パスポートをコピーされ、日本の住所や職業を尋ねられます。そのうえで簡単な荷物検査で持ち物を調べられます。ただ、結構大ざっぱで根ほり葉ほり聞くという感じではありません。荷物検査も便宜上のこと。カバンの中をパッと開いて見せて終わり。

・一旦は乗船を断られる
どういう理由があるのかわかりませんが、私の場合は一旦乗船を断られました。「ああ~、行けないんだ」と思っていると、突然「OK」との返事が得られたのです。本当に理由はわかりません。なぜ行けないと言われたのか、なぜそれが行けることになったのか……。やはり適当な感じがします。

・ウルルンドの警察にも上陸の情報が伝わっている
フェリーで約3時間、島にたどり着くと港には制服の警察官が待っています。浦項から上陸情報が伝わっているのでしょう。船から降りると、浦項で聞かれたのと同じような尋問が待っています。私が行ったときには、すぐに宿屋のオバちゃんに声をかけられ、宿泊先が確定したのですぐに尋問は終わりました。宿泊先が決まっていないと、交番に連れて行かれることもあるそうです。

以上、宿の落ち着くまでの間、監視されているような状況が続きます。基本的に日本人の上陸に、警戒しているような雰囲気があります。

余談になりますが、ウルルンドの港で声をかけてきた宿屋のオバちゃんは、かなりのやり手でした。宿泊の交渉をした後に、私は約5時間の観光バスツアーに連れていかれる羽目になったのです。その詳細については、次回お伝えしましょう。

(文、写真=木下さん)

▼ 韓国本土からの観光客の多さに驚かされます。ほとんどがトレッキング目的の中高年jyoriku3

▼ ウルルンドでの宿泊先の部屋。お世辞にもきれいとは言えません。シェアハウスのような建物で、居間やリビング、台所まで寝室として提供していますjyoriku4

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▼ プラカードを片手に港で待ち構えていたオバちゃん。やり手でしたjyoriku

울릉도.