人間には向き不向きがあります。細かい作業が向いている人もいれば、向いていない人もいます。パソコンを使う仕事に向いている人もいれば、向いていない人もいます。料理だって、向き不向きがあるでしょう。

その物事に向いている人は、「やっているうちに慣れるよ」程度にしか思わないでしょうが、向いていない人にとってはそう簡単にはいきません。では、向いていない物事とどう向き合ったらよいのでしょうか? 私は、仕事などでどうしてもそのスキルが必要な場合を除いては、向いていない物事にはあえて蓋をしてしまうのもアリだと思います。

というのも、人生とは、いやでも向き合わなければならない物事のほうが圧倒的に多いです。それならば、避けて通れるものは避けて通ったほうが、ストレスを軽減して生きることが出来ます。料理に向いていない性分なら、毎食コンビニ飯でも大いにけっこうではありませんか。

最近のコンビニは、栄養面を考慮した商品が多いので、毎食コンビニ飯でも健康を害することはないでしょう。結婚する際は、料理に向いているパートナーを選べば、ノープロブレムです。もしくは、毎食ケータリング出来るくらい夫婦で稼げばよいでしょう。

このような考えにしたがうと、恋愛に向いていない人は、恋愛しないほうがストレスなく生きていけるということになります。「恋愛に、向いているとか向いていないとかあるの?」と思うかもしれませんが、男性でも女性でも恋愛に向いていない人は、たしかに存在します。自分の生活スタイルを1ミリでも変えたくない人や、なんだかんだで自分が一番大好きな人、常識を逸脱した自由人などがその傾向が強いようです。

ですが、世の中が「お年頃になったら誰でも当然のように恋をするもの」という風潮のため、恋愛しなければならないような焦燥感に駆られます。そして恋愛に挑みます。自分で苦手意識がある物事は、必要以上に頑張ろうとするものなので、最初のうちは順調に進むでしょう。そのスタートダッシュの頑張りは、相手に「この人は恋の上級者に違いない!」と勘違いさせてしまうほどです。

しかし、やがてボロが出てきます。向いていない作業を頑張りすぎたため、息切れしてしまうのです。そして「やっぱり恋愛は不要だ」という結論に達し、元のおひとりさま生活に逆戻りすることになります。

あなたはそれでいいかもしれませんが、振り回された相手はいい迷惑です。「途中で投げ出すくらいなら、最初から声かけてくるな!」とシャウトしていることでしょう。このように、恋愛に向いていない人が恋愛しようとすると、自分にストレスがかかるだけでなく、相手にも不快な思いをさせてしまうのです。

20代のうちは、自分が恋愛に向いているか否か、よくわからないという人がほとんどでしょう。ところがアラサー、アラフォーにもなれば、自分が恋愛に向いているか否か、自覚が出来るはずです。なお、恋愛に向いていないからと言って、チョメチョメもするべからず、という意味ではありません。大人なのですから性欲が溜まるのは当たり前。その際は、風俗店を利用するなり、チョメチョメ目的のボディパートナーを持てばいいでしょう。そのほうが、自分もずっとラクなはずですし、他者に迷惑をかけることもないですよ。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ