情熱の国・スペイン。スペイン人はとても陽気、あまり人見知りをすることなく、さらに他人にも親切だ。そして恋にも積極的である。

そんなスペインで「Kisses from Spain」と書かれたお菓子を発見した。聞けば大人も子どもも大好きな人気のお菓子なのだという。フムフム直訳すると「スペインからのキス」である。キスっちゅーと、あれでっか、接吻のことですか!? それも複数形! 

日本ではキスの味というとレモン味というような甘酸っぱいイメージが持たれているが、スペインのキスの味って……これは甘いのか? 酸っぱいのか? それともめくるめく大人の味なのか? 早速食べてみたぞ!

中に入っているのはカラスの濡れ羽色にツヤめくヒモ状のグミである。スペイン美女の豊かな黒髪と日焼けした肌を想像しながら食べてみると……。

何やこれェェェェ!! 

八角やパクチーを思わせる独特の刺激臭が鼻を抜けていく。香辛料のような漢方のようなそれでいてどこかしら甘い。これらパンチの聞いた味が口の中でカオスのように交じり合う。決して調和することがない。それぞれが順番に味を主張しまくるのだ。

あえて形容するなら、衝撃もさながら後からジンジンくる、そう、たとえるなら「鈍器で殴られたような味」なのである。歯ごたえも、まるでゴムチューブをかんでいるようだ。

どんなにスペインの美女を思い浮かべても口に合わないものは合わない。ちなみに編集部のほかのメンバーに食べてもらったところ「何これ?」「カゼ薬の味がする」とのことだった。

この謎のグミはリコリス菓子と呼ばれるものだ。原材料であるリコリスは、「世界一マズイ飴」と言われている北欧の「サルミアッキ」にも使われている。日本語では「甘草」ともいい、のど飴などに配合される。なるほど一口食べて「薬くさい」と思ってしまったのにも妙に納得。ちなみにこの漆黒の色はカーボンブラック由来だという。

念のため付け加えると、リコリス菓子は決してゲテモノの類ではない。スペインをはじめヨーロッパ各国では大変ポピュラーなお菓子だ。子どもも好んで食べているそうである。

味の好みは育った環境で異なるものだ。外国人から見ると納豆だって理解できない製法と味である。それにしてもスペインとの味覚の差がここまで激しかったとは……記者(私)はスペインのキスの味は受け入れるのはかなり厳しい。個人的にはスペイン美女との恋はかなりのハードルがありそうだ。

photo:Rocketnews24.

▼スペインからのキス「リコリス」

▼確かに「スペインからのキス」と書いてある

▼なんだかヒモみたいな形だ

▼佐藤記者にも勧めてみた


▼「む……」

▼「……」

▼「何これ……」

▼日本人にとっては衝撃的な味だが、スペインでは人気のお菓子である