久しぶりだと感覚が鈍ることがありますよね。たとえばスポーツ。スキーやスノボなどのシーズンスポーツを例に挙げるとわかりやすいかと思います。シーズンはじめは昨年滑った時の感覚がなかなか思い出せず、転んでばかりということもあるでしょう。スポーツ以外でも、ペーパードライバーの期間が何年も続くと、運転の感覚が思い出せず、なかには再び教習所のお世話になった人もいるでしょう。

恋愛も然り。恋愛からしばらく遠ざかっていた人が、久しぶりに恋愛のマウンドに上がると、感覚が鈍っていたせいか、トンチンカンな思考や行動に至ることがあります。

どういった状態を「恋愛から遠ざかっていた」とするかですが、仮に何年も恋人がいなくても、片想いをしていれば、それは恋愛から遠ざかっていたことにはなりません。また、結婚や同棲でパートナーとの安定した関係をキープできていたとしても、お互い相手に対してときめかない状態が何年も続いていれば、それは「恋愛から遠ざかっている」ことになります。

状況はどうであれ、恋愛からしばらく遠ざかっていた人が、久しぶりに恋をした時に起こしてしまうトンチンカンな思考や行動とは、いったいどのようなものなのでしょうか? 例を挙げると、

・数日どころか、メールを送って数時間返事が来ないだけでも絶望する
・「好き」「愛している」など、具体的な言葉を求めすぎ、それらの言葉がないと不安になる
・恋愛ハウツーを鵜呑みにし、やたら計算高い行動をとる
・ドラマのようなシチュエーションにこだわる
・生活の主軸が恋愛になり、深夜にタクシーを飛ばして会いに行くなど、金も時間も惜しまなくなる

……など、これらの思考や行動に至る傾向が強いようです。恋愛現役の人だったら、上記のような思考や行動は絶対にないですよね。お互い仕事をしている身なら、一週間程度メールや電話がないのはやむを得ないこと。愛の言葉も、しょっちゅうささやくものではありません。ここは欧米ではなく日本なのですから。一般的な恋愛ハウツーは相手にバレバレだったりしますし、ドラマに出てくるようなオシャレなレストランばかりでは肩がこるでしょう。お金も時間も、使いすぎると後が続かなくなります。

しかし恋愛から遠ざかっていると、そんな当たり前のことすらピンと来ないのです。お相手も、恋愛から遠ざかっていたタイプの人ならトンチンカンな行動も許されるでしょうが、そうでない場合は「面倒くさいヤツ」という印象を与えてしまいます。

それを回避するには、堂々と「若葉マーク宣言」をするのが一番です。男日照り・女日照りが続いていたと思われたくないがために、つい見栄を張ってしまいがちですが、正直に「ちゃんとしたお付き合いするの10年ぶりなんだ」と打ち明け、「トンチンカンな言動するかもしれないけど」と前置きしておきましょう。その事前情報を相手にインプットするだけで、あなたに対する印象はずいぶん変わるでしょう。おかしな言動にも寛大になってくれるでしょうし、時には指南してくれることもあるはずですよ。久しぶりに臨む恋愛のマウンドには、若葉マーク付きで参戦しましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ