毎年11月、酉の日に開催される祭礼「酉の市」。2012年が8日と20日に各地の神社でお祭りが行われています。お祭りでは、縁起物を飾った熊手が販売されているのですが、今年はじめて購入するという方にちょっとアドバイス。

実は記者(私)も熊手にまつわる習わしを知らなかったのですが、東京・新宿花園神社に出店していた、とある露天の主に買い方を教えて頂きました。最初はなるべく小さいものを選んだ方が良いそうですよ。購入を予定されている方は参考にしてください。

・年を追うごとに大きく
まったく買い方を知らなかった記者は、「一万円くらいのものでいいか」とテキトーなことを考えていました。そこで、店主に「あれはいくら?」とか「こっちはいくら?」と品定めしていたのです。

すると店主は、「はじめてなら小さいのがいい」と教えてくれたのです。というのも、縁起をかつぐものですから、ただ値段に合わせて買うのではダメなのだそうです。商売が順調に行って、年々事業が大きくなれば、それに合わせて熊手を大きくしていくのが良いとされているのです。

逆に前年大きなものを買ったのに、翌年小さいのに買い替えると、福徳も下がってしまいます。はじめて買う人は小さく、次第に大きくが基本ですよ。二年続けて同じ大きさでもOKだそうです。

・値切らない方が良い
店主いわく、値切るのもあまりよろしくないのだとか。願いや夢を込めて買うものですから、値切るとその分、自分や会社の願いや夢を小さく見積もったことになるそうです。もし仮に値切ったとしても、その分は祝儀としてお店に渡すのが「粋」とも言われています。とにかくケチな買い方はご法度です。

・買った熊手は翌年同じお店に持っていく
これは習わしなのかどうかわかりません。一番小さな熊手を買った記者は、「この熊手、来年どうしたら良いですか?」と尋ねると店主は、「うち(店)に持って来い」と仰ってくださいました。

来年またここで会おう! という約束ですね。お互い元気で一年間お仕事を続けていられれば、同じようにまた会える。そういう意味で、「持って来い」と仰ったのだと思います。来年もまた酉の市でお会いできると思うと楽しみです。ちなみに記者は2000円の熊手を、3000円で購入させて頂きました。1000円は気持ちということで受け取って頂きましたよ。

帰り際に小さな熊手を持って歩いていると、たこ焼き屋のおじさんが「おお、いい熊手を買ったね!」と褒めてくれました。二の酉(11月20日)に出かける予定の方は、露天での会話も楽しんでください。

レポート:フードクイーン・佐藤
Photo:Rocketnews24
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▼ 花園神社の境内には、大量の提燈

▼ お祭りの魅力のひとつ、見世物小屋

▼ 露天にはたくさんのお客さん。どこも満席状態

▼ 焼き鳥や串焼き、おでんやお好み焼など。どれもおいしそう!



▼ お祭りのメインは、なんと言っても熊手







▼ 記者が購入したのは、小さな熊手。ここから年々大きくするぞ!

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