ゴキブリ・蜘蛛・ヘビ……。きっと誰にでもひとつやふたつ “怖いモノ” があるだろう。それが目の前に現れたら、人は身の危険を感じてできるだけそのモノから距離をとろうとする。しかし、その時のあなたの距離感覚は決して正しいものではないようだ。

最新の研究で、怖いモノは実際の距離よりも近くにあるように見えることが判明したそうだ。これは誰もが抱く「恐怖心」によって引き起こされる錯覚だという。

米エモリー大学と英ロンドン大学の研究者らが恐怖心に関する実験をした。彼らはまず、物体が徐々に近づいてくるように見える映像を被験者たちに見せた。そして、それが自分に衝突すると感じた時点でボタンを押してもらい、そのタイミングを測定した。

映しだされる物体は、蜘蛛やヘビなど被験者たちが怖がっている物から、ウサギや蝶など恐怖心を感じない物までさまざまだ。

結果、被験者たちが衝突すると感じたタイミングは映しだされた物体によって変わることが判明。怖くないモノに比べて、怖いモノのときのほうが明らかにボタンを押すタイミングが早かったのだ。さらに、恐怖心が大きければ大きいほど、衝突すると感じるタイミングが早いこともわかった。

研究者らによると、「これはつまり、恐怖を感じる物に対して人はその対象物との距離を実際よりも短く感じているということです。怖いモノと怖くないモノが自分から同距離にあるとき、怖いモノのほうをより近くに感じてしまうのです」とのこと。

また、「感情と知覚は互いに関わり合っています。実験では、恐怖心という感情が人間の距離感にズレを生じさせたためにこのような結果になったと考えられます」と説明している。

みなさんの目の前に怖いモノが現れても、実際は自分が思うほど至近距離にあるわけではないようだ。だからといって恐怖心がなくなるわけではないが、この恐怖心と距離感覚の関係性を知っていれば、いざというとき少しは落ち着いて対応できるようになるかもしれない。

参照元:Mail Online(英文)
photo: flickr schmecky!