「チュニジアンブルー」という色をご存知でしょうか? 青よりは少し明るく、水色よりもやや濃い、ちょうど地中海をあらわしたような色です。以前、モロッコの白と青の街並みについてお伝えしました。モロッコはまるで、北太平洋の海を表現したような茫々(ぼうぼう)とした色を携えた街だったのですが、チュニジアは地中海に面しており、どこかしら陽気さの漂う濃い青さをしています。

アフリカの北端、地中海に面する小国チュニジア。人口約1000万人のこの国に、日本からも観光客が大勢訪れています。特にリゾート地として知られるシディ・ブ・サイドは人気のスポット。イタリア・ローマから飛行機で一時間、首都チュニスから電車で30分、たどり着くとそこに誰もが訪れたくなる理由がわかりました。

街のシンボルとされる「カフェ・デ・ナット」は、創業から250年も続いているそうです。植民地時代には、フランスの有名画家がここを訪れ、気ままに時を過ごしながら、創作活動を行ったそうです。

どこまでも続く白壁と、チュニジアンブルーの窓や柵。陽気な雰囲気をかもしながら、どこか凛とした佇まいは品格さえ感じさせます。有名画家がこの街に、意欲を触発されたのも頷けます。「楽園」と呼ぶに相応しい、美しい街シディ・ブ・サイド。

過去の画家たちのように、気ままに筆をとって過ごすという訳には行きませんが、美しい街をただ眺めるだけでもぜい沢といえるでしょう。

取材、写真:Photographer Koach
編集:フードクイーン・佐藤

▼ シディ・ブ・サイドのシンボル「カフェ・デ・ナット」

▼ チュニジア雑貨の鳥かご。代表的なお土産です