長期間海外に滞在している記者(私)は、最近現地ツアーの添乗員にショッキングな一言をいわれました。それは、「日本の観光客はマナーが悪い」というのです。多くの日本人は良識があり、礼節をわきまえていると考えていたので、そのような言葉を聞くとは思ってもいませんでした。

詳しく聞くと、それは「写真撮影」についてのマナーだったようです。もちろん、すでての人に当てはまるという訳ではありませんが、今後海外に出かける予定のある方は、ぜひとも覚えておいて頂きたい。最低限のマナーについてお伝えしましょう。

記者も職業柄、滞在先の街でカメラを構えることがしょっちゅうあります。そのときに十分に気をつけておきたいのが、「許可の有無」です。他国だからといって、むやみに人物を撮影しようとすると怒られることもあります。逆の立場を考えると、容易に察しがつくと思いますが、国内で突然海外旅行者がカメラを向けてきたらビックリするはずです。

記者がモロッコに滞在していたときのこと、市場で雑貨をゆっくり撮りたかったので、とあるお店に入って撮影交渉をしました。その際に店主は、こんなことを言っていました。「別に何も買わずに、お店の物を写真に撮られるのはタダでいいんだよ。ただな、何も言わずに写真を撮って行くのは気分が悪い。ただ一言『何も買わないんだけど、写真いいかな?』って聞いてほしいもんだよね」と。

とある国で出会った、長年ガイドをやっているという日本人の方は、「日本人の旅行者の方は『中国人の旅行者はマナーが悪い』と言いますが、私から言わせたら日本人旅行者の撮影マナーも同じレベルです。明らかに昔より悪くなってます」と、話していました。

近年はスマートフォンやデジカメが普及し、誰でも手軽にきれいな写真・画像を撮影できるようになりました。しかし技術が急速に進歩する一方で、マナーが置き去りになっている感も否めません。不意にカメラを向けたい衝動に駆られても、ちょっと落ち着いて、「撮影しても良いですか?」と尋ねた方が、現地の人も安心できると思います。

快い旅行にするために、カメラと一緒にマナーも携えておきたいものです。先述のツアー添乗員の言葉をきっかけに、記者自身も気をつけたいと思いました。

取材・写真: Photographer Koach
編集: フードクイーン・佐藤
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