先日、美容院でふと手にした女性誌に、アラサー男性3名による座談会が掲載されていました。雑誌に載るのは芸能人ばかりとは限りません。一般人の本音をクローズアップする目的で、こういった座談会が催されるのは珍しいことではありませんが、たいていは女性座談会が多いですよね。そういう意味でも、男性の座談会は貴重だと思い読み進めてみたのですが、テーマは「女性宅に遊びに行った際に気になる部分」とのこと。

ちまたの恋愛ハウツー本ですでに語り尽くされているのは、なんといっても「便座のフタの裏側」ですよね。女性の一人暮らしだと、便座のフタをあげて用をたすことがないので、つい掃除を忘れがちな部分です。しかし男性は、便座のフタをあげて用をたすので、便座のフタの裏側も当然のごとく視界に入ります。トイレを貸した際に、便座の裏側が汚れていると、間違いなくマイナス印象を与えてしまうでしょう。

便座のフタの裏側ももちろん大事なポイントですが、その誌面座談会で語られていたのは「キッチン」でした。「冷蔵庫に缶ビールとお菓子だけだと引く」や「調味料がないと、いかにも料理しないコっていうのがバレバレ」、「結婚後、きちんと栄養管理してくれるか心配」等々。これを読んだ女性陣の中には、「勝手なことばかり言いやがって!」と苛立ちを覚えた人もいるかもしれませんね。

ひと昔前の、「女性の仕事はお茶くみとコピーとり」という時代じゃあるまいし、現代は働く女性も増えています。男性と同様に、キャリア志向の第一線で活躍している総合職の女性も多いことでしょう。残業や休日出勤が続くと、身体に良くないとはわかっていてもコンビニ弁当が続いてしまったり、帰宅して飲む缶ビールが唯一の楽しみだったりもするものです。

しかし、なんだかんだで「家庭的な女性」が男性ウケするのは仕方ないこと。私たち女性が、「オトコらしい男性がいい」と思うように、男性も「オンナらしい女性」に惹かれるものなのです。

だからといって、仕事で疲れて帰ってきたところ、歯を食いしばって料理せよとは言いません。要するに、男性が遊びに来る時だけ、「演出」をすればいいのです。部屋にインテリアを置くのと同じ感覚で、冷蔵庫の中もインテリアだと思って生鮮食材を並べたてましょう。オブジェです。

といっても、単純に生鮮食材を詰め込むだけでは芸がありません。キャベツやレタスだったら、一玉の4分の3個など、「近日中に料理に使った余りもの感」を出すといいですね。調味料は、バルサミコ酢だの塩麹だの、気取る必要はありません。「さしすせそ」が揃っていれば充分でしょう(砂糖・塩・酢・醤油・味噌)。

昨今は、何かと「女子力UP」(おなご力UP)などと言って、頑張ることが美徳とされる風潮ですが、そんな余裕はないという働きウーマンの皆さんは、小手先の演出に頼るのもアリなのではないでしょうか。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ