なかなかダイエットが続かないそこのあなた。それは意志の弱さではなく、記憶力のせいかも知れない。

最近の研究で、目標に向かって努力をし続けるには「展望記憶」と呼ばれる記憶力が深く関わることがわかった。自分がダイエット中ということを意識したり、ダイエットの成功をイメージしてそのために努力したりできるかには個人差があるが、それは展望記憶力の差が生むものなのだ。

展望記憶は、前頭前皮質(前頭葉の前側にある領域)の持つ「実行機能」のひとつ。この脳部位は、次のような役割を持つ。

・現在の行動によってどのような未来の結果や成果が生じるかを予測する
・目標に向けての行動や優先順位を決定する
・衝動を抑制する
・実行するべき計画を忘れないでいる

「ダイエット中ということを忘れて目の前のものを食べてしまった」、「一口と思って食べ始めたのに、気付いたら完食していた」という経験はないだろうか。これらは鍵のかけ忘れや手紙の出し忘れなど、「うっかり」何かを忘れてしまうのと同じく、展望記憶力の弱さからくるのだ。

ある実験で、被験者に食事計画を立ててもらい、その後に過去3日間で食べたものを書き出させて計画内容と比較した。前頭前皮質の働きが悪い人ほど、本人が意図していたよりも野菜や果物の摂取量が少なく、甘いお菓子など高カロリーなものが多い食事をとっており、またダイエット中でも勧められた菓子を断れない傾向にあった。

展望記憶の研究を行っているアバディーン大学の健康心理学者ジュリア・アラン氏は、「最近では様々なダイエット法が紹介されており、多くの人がダイエットに関する正しい知識を持っています。それでも失敗してしまう原因は、方法の良し悪しというより持続できないことにあると言えます」と述べている。

「前頭前皮質がうまく機能していない人は、誘惑に負けやすくなります。ダイエットや禁煙などに失敗しやすい人とそうでない人の差はここにあります。ダイエットは健康的な食事をすれば良いという単純なものではありません。心理的な側面があるのですから、節制のつらさに個人差があるのは当然です」

それでは、展望記憶力の弱い人はどんなダイエットをすれば良いのか。同氏が勧める方法は次の通り。

「身の回りの食べ物や飲み物を全てカロリー表記して、カロリーの低い順に並べます。私たちは心理的に左側のページのものを選びやすいので、左側から並べてメニュー表を作り、飲食時は常にそれを見て選ぶ習慣をつけましょう。カロリー値がわかるうえに、低カロリーのものを自然に選べますよ」

マウスを使った別の実験では、ジャンクフードを3日食べ続けることで、食事量のコントロールやカロリー燃焼を司る脳部位の働きが衰えるという結果も得られている。

ダイエット中ということを忘れず、誘惑に負けてジャンクフードに手を出さないように、あなたも「メニュー表」を作ってみてはいかがだろうか。

参照元:DailyMail(英文)