みなさんは1カ月に本を何冊読むだろう。小中学生などは国語の宿題もあり読書の機会も多いが、大人になるにつれてなんとなく読まなくなったという人が多いのではないだろうか。

しばらく本を開いていない人は健康のためにも読書を始めてもいいかもしれない。専門家の研究によると、読書は単なる娯楽にとどまらず、私たちが考えている以上に心身の健康にいい影響があることが判明したそうだ。

■大脳が活性化する
オックスフォード大学の神経学の名誉教授であるJohn Stein氏は「読書は大脳のトレーニングだ」と主張する。

本の世界に没頭しているとき、それは単純にストーリーを追っているとういわけではないそうだ。本を読み想像することで大脳は想像したことを実際に経験したときのように活性化するという。

想像力だけで、脳が活性化するとは大げさな話にも聞こえる。しかし、読書中の脳の様子をMRIでスキャンしたところ、本の中の景色や音、においや味を想像しただけで、大脳のそれぞれをつかさどる領域が活性化し、新しい神経回路が生まれたというのだ。

つまりこれは読書を通して、大脳が実際に本の中のことを経験したかのような働きを見せたといことである。テレビやゲームでは同様の現象は起きない。

■孤独を感じにくくなりストレスも軽減
英語の格言に「You’re never alone with a book(良書があれば決して孤独にはならない)」とということばがある。その格言どおり、読書は孤独を感じさせにくくするそうだ。そればかりか、心をリラックスさせ、しばしの間悩みを忘れさせ、ストレス軽減にもなるという。

イギリスのサセックス大学の研究によると、わずか6分間の読書によりストレスが3分の2以上軽減されることがわかっているそうだ。これは音楽鑑賞や散歩によるストレス軽減をはるかにしのぐレベルである。読書に必要な集中力が脳をリラックスさせ、筋肉の緊張をほぐし、心拍数を下げるためだと考えられている。

■アルツハイマー病の予防に
学術誌『the Archives of Neurology』にカリフォルニア大学バークレー校の研究チームが発表したところによると、子どもの頃から読書習慣がある、すなわち継続的に脳を刺激していると、アルツハイマー病の原因とされている物質「ベータアミロイド」の形成を抑制するこができるそうだ。

専門家が認知症の症状が出ていない60才以上の脳を調べたところ、幼い頃から読書、将棋をたしなむなど大脳を刺激するような生活を送っていた人は脳内のベータアミロイドが非常に少なかったそうだ。だが、これらの活動をしていない人は脳内に多量のベータアミロイドが存在したそうだ。

このほかにも、「物語を通じて他者の感情を体験することにより、相手の感情を推し量ることができるようになりコミュニケーション力がアップする」、また子どもについては「読書習慣のある子どもは集中力が増す」、「物語の展開を想像することにより論理的な思考力がはぐぐまれる」という研究結果もあるそうだ。

教師が口うるさく「本をたくさん読みなさい」というのにはちゃんと意味があったのである。8月が終わりもう9月。読書の秋も目の前だ。健康のためにも久々に本を開いてみるものいいかもしれない。

参照元:Mail Online(英語)
photo:Rocketnews24.