近年、生放送の歌番組はめっきり減ってしまった。その昔は歌番組といえば、ほぼすべてが生放送されていたのだが、手間がかかるうえに不測の事態が発生することもあるので、テレビ局は録画で放送することが多いようである。

不測の事態といえば、フジテレビの「ヒットスタジオR&N」で、ザ・タイマーズというバンドが某ラジオ局を徹底的にこき下ろすということがあった。そのときの模様は、いまだに語り継がれる大ハプニング。なぜならこき下ろしただけでなく、放送禁止用語を堂々と発していたからだ。

ザ・タイマーズとは、ZERRY(ボーカル、ギター)、TOPPI(ギター)、BOBBY(ベース)、PAH(ドラム)の四人構成のロックバンドである。1988年に富士急ハイランドのライブイベントに飛び入りし電撃デビューをはたした後に、約一年間活動。その後1994年に復活という非常にまれな経歴をもったバンドだ。

この日の放送でバンドは、『偽善者』という楽曲で某ラジオ局を「腐ったラジオ」、「最低のラジオ」、「政治家の手先」などと罵倒し、仕舞いには「○○○○野郎!」とまで言い放った。生放送であったために、その放送禁止用語が全国に中継されてしまうという事故が発生したのである。

しかしながら、彼らが音楽として訴えたメッセージは多くの人に受け入れられ、現在では伝説さえ言われているのである。今の日本に、彼らのようにしっかりとした主張をもったアーティストやバンドがいるのだろうか? いや、名ばかりのアーティストだけで、何も訴えかけるものをもたない人だけになってしまったのかもしれない。

参照元:ニコニコ動画,DailyMotion