ロシア最大の美術館と言えばサンクト・ペテルブルグにある「エルミタージュ美術館」だ。当時、ヨーロッパから「北方の野蛮な国」とされていたロシアを大国に押し上げたエカテリーナ2世が1764年に設立した。

美術館には、ダヴィンチ、ラファエロ、レンブラント、ゴッホなどをはじめとした貴重な美術品300万点以上を所蔵していることで知られているが、もうひとつ名物があるのをご存知だろうか。これらの美術品を50~70匹のニャンコが守っているというのだ。

当時、エルミタージュ美術館ではネズミの被害が深刻だったそうだ。効果的にネズミを駆除し、かつ安全に美術品を守る方法はないか。美術館はネズミ退治のためにニャンコを警備員として採用することを決定。「ニャンコ警備隊」を配置した。一説によると、ニャンコたちは1500キロも離れた地から連れて来られたそうだ。

そして、約250年後の2012年、エカテリーナ2世時代の子孫かどうかはわからないが、現在も同美術館にはニャンコ警備隊が配備されている。彼らは地下室やバックヤードに所蔵されているコレクションを物静かに監視している。たまに外に散歩に出ることもあるが、めったに来館者の前には現れることはない。あくまで縁の下の力持ちの役割に徹しているのだ。

地下室にはニャンコ専用の休憩所が用意され、専属のスタッフが食事などの世話している。一匹一匹に名前がつけられており、美術館のスタッフはほとんどの猫の名前と顔が一致しているという。また、別の区画には病気やケガをした猫を収容する場所も設けているそうだ。

ニャンコ部隊は50~70匹いるとされている。この数をオーバーすると、ケンカを始めてしまう。部隊内の均衡が崩れ、職務に専念できなくなるのだ。数が増えると、ニャンコたちは里子に出されることもあるそう。ニャンコ警備隊出身の猫は行儀がいいとなかなか定評があるという。

科学が発展した現在、猫にネズミを捕らせるというのは一般的ではなくなった。しかし、エルミタージュ美術館は、伝統あるニャンコ警備隊を非常に重視しており、現在にいたるまで大切にしているそうである。美術館とニャンコ。一見、結びつかない両者であるが、素敵な関係ではないだろうか。

参照元:Youtube AlJazeeraEnglish MuseumSecrets