中国で数万人規模の暴動が発生ッ! 集まった群集は暴徒と化し、バス停や商店、駐車してあった車などを次々に破壊しているという。一部情報では、暴徒は市政府を取り囲み、現地は一時一触即発の雰囲気に。武装警察も出動する事態になった。実はその背景には、意外な出来事が関係した。それはたったふたりの子どものケンカである。いったいどうして、数万人規模に暴動に膨れ上がったのだろうか。

暴動が起きたとされるのは、広東省・中山市の行政区、沙溪鎮(さけいちん)だ。現地時間6月25日に地元の小学生と、内陸部出身の出稼ぎ少年のがケンカを始めた。どうやら出稼ぎ少年が路上で売っていたマンゴーを、小学生が盗もうとしたらしい。すぐに警備員が止めに入ったのだが、出稼ぎ少年はケガをして病院に運ばれたとのこと。

ここでケンカは終わらなかった。翌日、出稼ぎ少年の仲間たちが小学生への報復のために、街に大勢集まってきたのである。そして付近の店やなどを破壊し始めたのだ。報復はいつしか暴動の様相を呈していき、手のつけられない状況になった。実のところ、暴動に関する情報は錯綜しており、一説によると「出稼ぎの少年が警備員数人がかりに袋叩きにされて死んだ」という噂も立っている(真相不明)。この噂が労働者たちの怒りに火をつけた。

労働者たちはさらに集結し、数百人から数万人へと拡大。香港や海外の華僑系メディアでは、「出稼ぎ労働者数万人が市政府を取り囲んだ」という情報や、「暴動により100人あまりが負傷、死者も出た」、さらに「数百人が逮捕された」などと報じられている。

これらの情報に対して、現地公安は報道内容を否定している。なお事件では、1人の死者も出ていないと発表した。そして、「出稼ぎ少年が殺された」という のは “デマ” であり、これを広めた人物を逮捕。「事件は収束した」とアピールしているのだ。「現地はすでに秩序を取り戻した」と公表している。

とにかく温度差のある情報が、各所から広まっているため、実態の把握は容易ではない。実際はどうなのだろうか? 中国版Twitterの「Weibo」で事件について検索したところ、「法律と政策に基づき、検索結果は表示されません」と表示される。また第一報を報じたとされるニュースサイトでも、当該記事にはたどり着けない。したがって、ストレートに中国からの情報を得るのは難しく、何が正しくて何が間違っているのかさえもわからない。「殺された」とされる少年の安否不明。

現地公安は火消しにかかったと見てよいだろう。中国の内部格差は深刻だ。特に貧しい「内陸」と経済発展を遂げた「沿岸部」との間で、激しい確執を生みだしている。出稼ぎ労働者への差別も少なからず存在している。今回の事件は出稼ぎ労働者たちのうっぷんが、子どものケンカをきっかけに爆発したというのが多くの海外メディアの見方である。

参照元:看中国(中国語)









▼こちらがWeiboの検索結果。もはや地名を入れただけでも検索不可である