巷の恋愛ハウツー本を読んでいると、必ず出てくる言葉が「コンパ」。「コンパで恋人をゲットする方法」だとか、「コンパで好印象な立ち居振る舞い」など、様々なテクニックが紹介されていますよね。それらを読んで、「そもそもコンパに行ったことがないのだが……」と、一人静かにボヤいている人もいるでしょう。そう、コンパ童貞やコンパ処女って、決して少なくないんです。

コンパ童貞・コンパ処女の人に話を聞いてみると、「現代人特有の、他者と関わりを持ちたくない自己完結タイプ」というわけではないようです。「誘われたら行く」とのことですが、その「お誘い」が来ないので、今日までコンパ童貞やコンパ処女をこじらせてしまったとのこと。

お誘いがないと言っても、彼らは、「仲間内から敬遠されている、付き合いにくいタイプ」というわけではないようです。単に、「自分の周囲にコンパを企画するような友人がいないだけ」と、いいます。

なかには、コンパに対して否定的な考えを持っていて、行かないという人もいました。「彼氏彼女のいない『あまりもの』同士で集まるって虚しい」や「どうせ、ろくなメンツが揃わないに決まっている!」とか、「男女共に下心アリアリの者ばかりが集まる気持ち悪い飲み会」など、だいぶ厳しい声も聞こえてきましたが、コンパとはそんなにも悪いものではありません。メンツによっては十二分に楽しめますし、あわよくば……という展開も期待できるのですから、頭ごなしに否定することはないでしょう。

いずれにせよ、今まではたまたまお誘いが無かっただけで、今後いつコンパデビューのチャンスがあるかわかりません。幸せと不幸とコンパのお誘いは、ある日突然やってくるものです。その時のために、最低限の予備知識はおさえておくべきでしょう。

まず、「絶対にカップル成立するわけがない」というのが大前提! むしろ、カップルが成立することのほうが珍しいくらいです。ですので、コンパデビューしようといきなり幹事を買って出たものの、一組もカップルが成立しなかった……という結末でも、責任問題を追及されるわけではないですから、ご安心くださいね。

次に、ゲームについて。「王様ゲーム」や「武田鉄矢ゲーム」が行なわれるということは、99パーセントないと思ってください。大学生同士のコンパならいざ知らず、三十路世代のコンパは、普通に飲んでしゃべる程度。ですので、大量のワリバシを持ちこんだり、ポッキーを準備する必要はありません。

そして、お会計の件。男女平等が叫ばれる昨今ではありますが、何故か支払いは、男性陣が多く支払わねばならない傾向にあるようです。稀に、「女の子は千円でいいよ」など発言して、同性の男子から「余計なこと言いやがって」などと恨まれる人もいますが、それもまたコンパの風物詩。とりあえず、財布の中には余裕を持たせて臨みましょう。万札ではなく、千円札や百円玉を適度に用意しておくと集金がスムーズという点は、一般の飲み会と同じです。

最後に、お持ち帰り希望の人へ。コンパ中にほとんど会話をかわさなかった相手でも、お持ち帰りする・されることは可能です。一次会から二次会への移動中や、駅までの道のりにもチャンスはあります。帰る方向が一緒の場合は特にラッキーです。「帰るまでが遠足です」という言葉がありますが、「帰るまでがコンパです」と思って、わずかなチャンスを見逃さないようにしましょう。

恋愛コラムニスト: 菊池美佳子