以前、ロケットニュース24では、東電が福島原発の事故及び事故後対応について、スイスの団体に 「コスト削減のために原発の安全性を無視した」として世界最悪企業No.1にノミネートされたことをお伝えした。

今度はドイツの団体からも地球と人類に甚大な被害を与えた企業として “ブラックプラネット賞” が贈られることがわかった。主催団体は、明日6月27日の株主総会で清水会長らへの直接授与を計画しているという。

ブラックプラネット賞を主催しているのはドイツの環境団体エテコン(Ethecon)だ。同賞は地球環境の持続性に危険をもたらした人や団体に贈られる。過去にはメキシコ湾の原油流出事故を起こしたイギリス企業が受賞。環境問題の解決に大きく貢献した人や団体に贈られるブループラネット賞の対極にある賞だと言えよう。

エテコンはブラックプラネット賞2011を東電(TEPCO)の勝俣会長、事故当時の社長・清水正孝氏、そして全ての経営陣と大株主にこの賞を贈りたいとしている。代表として東電の勝俣会長と清水前社長に、トロフィーを手渡したいそうだ。

受賞理由について同団体は「東電は、原発に欠陥があるのを知りながら利益至上を貫き安全性と社会の正義を犠牲にした。(福島原発事故は)企業が起こした惨事のなかで人類史上最悪だと言える。特にひどいのは東電が政府と共謀し隠蔽を続けているその不誠実な方針だ」と説明している。

毎日新聞が報じたところによると、エテコンのアクセル・ケーラー・シュヌラ会長ら4名は東電の株を保有しているが、株主総会への出席は拒否されたとのことだ。だが、彼らはすでに日本入りし、先日、福島市で会見も開いた。直接贈呈を諦めてはいない模様である。

東電の株主総会は明日6月27日(水)。この場で、勝俣会長は事故後、一度も福島入りしないまま退任予定。すでに東電社長職を引責辞任した清水正孝前社長は、この日を待たず6月25日付で東電が筆頭株主であるAOCホールディングス傘下の富士石油社外取締役就任が発表されている。直接授与は実現するのだろうか。注目が集まっている。

参照元:Ethecon(英語)、毎日新聞