鬱陶しい雨降りが続いている。ジメジメした日が続くと、せめて食事だけでもスカッとしたものだ。そこで今回は見た目が辛すぎる四川料理をご紹介したい。お伝えするのは歌楽山辣子鶏(ホー・ルー・サン・ラー・ツィ・ジー)だ。これは本場中国・四川の唐辛子を使った鶏肉の炒めもの。そのルックスは唐辛子だらけ、まるで唐辛子だけを炒めたようにしか見えない代物である。鶏肉おるかーッ!?

本格的な四川料理を提供しているのは、東京池袋の「知音食堂(ちいんしょくどう)」である。このお店は、中華料理好きの間ではよく知られている老舗。日本に滞在している中国人も頻繁に利用しているお店だ。したがって、日によっては店内は中国の人だらけ。店員さんも決して流暢な日本語をしゃべるわけではない。タイミングによっては、ここは日本か? と疑いたくなるような状況にもなる。

メニューは四川の料理を中心に、日本でも馴染みの深い点心や担々麺などかなり充実している。なかでもインパクト絶大なのが、歌楽山辣子鶏。日本語で表記すると、歌楽山唐辛子と山椒の鶏肉炒めである。

実際にオーダーしてみると、想像を越える量の唐辛子に圧倒される。パッと見た感じ、真っ赤な唐辛子しか見えない。一応鶏肉炒めなのだが、箸で表面をつついても鶏肉らしきものは見えないのだが。表面の唐辛子を適当に退けると、ようやくカリカリになった鶏肉が姿をあらわした。炒めものとあるのだが、どうやら油で揚げるようにして調理しているらしい。そのため鶏肉がカリッと香ばしく焼きあがっているのである。

これはどう見ても、激辛じゃないのか? 不安に思いながら実際に食べてみると……、「う? チョイ辛?」と思うほど辛くない。唐辛子の辛さはそれほど感じないのだが、後を追うように山椒辛さが口に広がる。「やっぱ、ちょっと辛いか」、とにかく見た目ほど辛くないというのが正確な答えかもしれない。なお、この唐辛子は四川の歌楽山唐辛子を使っているとのことだ。

いずれにしてもビールのつまみには最高の一品である。ちなみにこのお店では、中華風蒸しパンの「花巻パン」も提供している。こちらはあまり日本の中華料理店で見かけることはないので、お店を訪れた際にはオーダーした方が良いだろう。モチモチフワフワとした食感は、通常のパン屋さんでも食べられないほどおいしいのでお試し頂きたい。時々店員さんが緩慢に対応することがあるので、その点だけ留意頂きたい。

■店舗情報 知音食堂
住所:東京都豊島区西池袋1-24-1 宮川ビル B1F
営業時間:月・火曜日17:00~3:00、[水~日曜日11:00~3:00
定休日:無休

レポート:フードクイーン・佐藤
Photo:Rocketnews24

▼ 圧倒的な唐辛子の存在感、メインの鶏肉が脇役扱い

▼ 肉つかんだつもりでも、唐辛子が邪魔しやがる

▼ 唐辛子をよけるのに忙しい

▼ こちらが花巻パン。モチモチフワフワで美味

▼ こちらは水煮牛肉、これも見た目ほど辛くなく、ウマ辛い

東京都豊島区西池袋1-24-1