「煮干が嫌いな方、ご遠慮ください スタッフ一同」、新宿ゴールデン街に店を構える煮干ラーメン『凪』(なぎ)の入り口にはこう書かれている。いくらなんでも「ご遠慮lください」は言いすぎなのでは? と思うような表現だ。それだけ煮干にこだわりがあり、受け付けない人もいるのをわかったいる様子。強気とも取れる看板の文言がいかほどのものか、実際に凪のラーメンを食べてみた。

■煮干のにおいで満たされた店内
お店はゴールデン街の一角にある。この街は、限られた場所に200軒近くものお店が、文字通り軒を連ねる飲み屋街だ。どのお店もあまり広くなく、そのほとんどがカウンターバー。凪も同じくカウンターだけのお店である。2階にあるお店に入ると、その瞬間から煮干のにおいが鼻をつく。まるで店中が煮干で満たされているようにさえ感じるほどだ。

■一杯に50匹
正面の壁を見ると、そこには煮干ラーメンの食べ方が指南されている。なんでも一杯に50匹近くの煮干の成分が入っているのだとか。まあ、その文言を見るまでもなく、店は煮干で満たされているわけなのだが、それが決して嫌なものではなく、どこかしら懐かしさを感じさせるものがある。

■「中太ちぢれ麺」と「いったんも麺」
ラーメンには麺が二種類入っている。ひとつはやや太めのちぢれ麺、そしてもうひとつがいったんも麺だ。ちぢれ麺に関しては説明するまでもないのだが、いったんも麺とはなんぞや? これはほうとうにも似た食感の平たい麺。見た目が漫画『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクター「一反木綿(いったんもめん)」に似ていることから、そう名付けられているらしい。

このようなだだっ広い麺を記者(私)は、食べたことがなかったのだが、これが意外と面白い味わい。思いのほかスープと良く馴染む。「麺をすする」という表現はふさわしくないのだが、それでもスルスルと食べることができた。

■徹底した煮干ぶり
記者は普段、鶏や豚をベースにしたラーメンをよく食している。そのためか、煮干ラーメンのさっぱりした後味は新鮮だった。大盛りを食べても胃もたれする雰囲気はなく、口周りもギトギトしていない。また煮干だしの力強さに改めて気付かされた次第である。しかし看板にも書かれているように、煮干が苦手という方には、徹底した煮干ぶりが受け付けない可能性も否めないだろう。

そう思うと、看板の文言は決していい過ぎではなく、むしろやさしい言葉のようにも感じられる。煮干ラーメン好きはぜひ一度訪ねて頂きたい、徹底的に煮干を追求した凪のラーメンに納得できるはずだ。

■店舗情報 ラーメン凪 新宿ゴールデン街店
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 2F
営業時間:月~土曜11:30~15:00・18:00~4:00、日・祝18:00~2:00 
定休日:第3日曜日(昼営業のみ)

レポート:フードクイーン・佐藤

▼ やや太めのちぢれ麺

▼ こちらがいったんも麺、スープが良く絡む

▼ チャーシューは肉厚。食い応え十分

▼ 色鮮やかな煮卵

▼ 「わが煮干に一片の悔いなし」、見たことあるキャラ……

東京都新宿区歌舞伎町1-1-10