餃子といえば、中国から日本に伝わって独自の文化を築いた「日本の国民的おかず」である。中国では水餃子が一般的だが、日本では焼き餃子が浸透している。

そんな日本の餃子が、フランス・パリで驚異的な人気を誇っているという。なんと! 餃子専門店に多くのパリっ子たちが行列を作っているというのだ。ということで、実際にパリの餃子専門店『餃子バー』(GYOZA BAR)に行ってみたゾ。

・フレンチよりも人気の餃子バー
『餃子バー』があるのは、パリの中心部・地下鉄Richelieu駅から徒歩1分のアーケード街。このアーケードには多くのフレンチレストランが入っているものの、行列ができているのはこの『餃子バー』だけ。

・時間に余裕を持って行こう
20:00ごろ店舗を訪れるとすでに15人ほどの行列ができていた。店内に席が12席しかないことと、じっくりとビールを飲みながらトークをする客が多いことから、けっこう待つことになる。しかしそれでも行列は途切れない。よほど美味しいらしい……。

・カウンター席のみ
行列に並んで待つこと約40分、ようやく店内に案内され、カウンター席に座る。確かにレストランや食堂というよりもバーのような形式である。注文はカウンターから直接スタッフに告げる。メニューは……。

・メイン料理は餃子だけ
餃子8個6ユーロ、餃子12個8ユーロ、ビール4ユーロ。なんとビールの銘柄がエビスだった。食べ物のメインは餃子だけである。このところ和食を食べていないので、非常に心が躍る。餃子12個にエビスビール、そしてご飯を注文した。ちなみにお通しでモヤシのおひたしが出る。ひとり単価、最低15ユーロである。

・客層はビジネスマンや若者か
餃子は注文後に焼くので、完成までしばらく時間を要する。なのでじっくりと行列やカウンターの客を観察してみる。客層は男性ビジネスマンが多いように思えたが、カジュアルなカップルや20代前半の若者が多いように感じた。食事というよりも餃子をツマミにビールと歓談を楽しんでいるようだ。確かに存在としては「バー」である。

・お客さんの目の前で餃子を調理
カウンター越しに調理しているので、餃子の調理工程をすべて見ることができる。密封した鉄板のフタが開けられると、蒸し焼きされた餃子がたくさんの湯気を出しながら姿を現す。まるでランプの魔法によって出現した「魅惑の料理」のごとく。

・見た目はまさに日本の餃子
確かに餃子には魔法がかかっていて、食欲をそそらせるキツネ色に焼かれており、見ているだけで味覚神経が刺激される。やや小ぶりだが、12個もあるのだから量としては問題ないだろう。

・タレにはラー油を不使用
かんじんのタレだが、独自の調合で作ったものが用意されており、ラー油はいっさい使われていない。ちょっとだけペロリとしてみると、醤油と柑橘系の酸味を感じた。日本の餃子のタレに近からず遠からず。とにかく「醤油」と「酸味」がうまく合致した和食に合うタレなのは確かだ。

・繊細すぎる味に驚き
いろいろと観察するよりも食べて美味しければそれでOK。ということで、さっそく餃子をタレにつけてパクリと食べてみる……。あまりにも繊細すぎる。日本にここまで繊細でデリケートな味の餃子があるだろうか?

・自分の魅力を誇示しない食材
餃子の皮、餃子の具、タレ、すべてが自己主張を強くしていないのだ。しかし、それは魅力不足というわけではない。食材が自身の持つ素晴らしい魅力を「誇示」するのではなく「謙遜」しているのである。

・料亭が特別に作った餃子の味?
まるで料亭の女将さんが「本当は作らないんだけれど今回は板前の気まぐれで作ったんですよ」と言って常連客に出してきそうな餃子である。食材そのものがあまりにも繊細な味をしているため、人によっては物足りない味と感じるかもしれないが、ガツンと脳髄に衝撃を走らせる餃子とは対となる存在として、この餃子の美味しさを認めざるを得ない。

・1~3人で行くのがベスト
ちなみに、あまりにも混んでいるので4名やそれ以上の人数で行くと並んで座れないと思っていい。バラバラで座っても大丈夫ならいいが、そうでなければ開店の数十分前から並ぼう。もしくは行くのをあきらめよう。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 餃子バー(GYOZA BAR)
住所 56 passage des Panoramas 75002 Paris
時間 12:00~14:00 / 18:30~23:00
休日 日・月
URL http://www.gyozabar.com

Correspondent: Kuzo