黒縁の四角いメガネをかけ、赤のストライプ模様のエプロン。そしてちょっと首をかしげて笑う姿……と言えばケンタッキー・フライドチキン(KFC)のカーネル・サンダースだ。ジューシーで美味しいチキンに世界中で愛される同店だが、中国では愛のあまりにパクリ店が続出。

OFC(オバマ・フライドチキン)、ケンタナルド、マクタッキー……数え切れない。その中でも特に異彩を放っているのが、「カーネルおばさんの店」だ。なんとカーネル・サンダースを女体化してしまったのである!

そのカーネルおばさんの店をついに発見。つ、ついにキタァァァァ!! 早速、店内の様子をお伝えしよう。

カーネルおばさんの店を発見したのは中国の上海だ。中国にパクリは数多くあるが、女体化するという斬新すぎる手法は、国外だけでなく当の中国人もビックリ。彼女は伝説となった。

■店内は完全にカーネルおばさん推し!
「カーネルおばさんの店」こと「吉阿婆マーラタン」。「吉阿婆」は直訳すると「吉おばさん」。マーラータンとは中国で5000年の歴史を持つという旨辛スパイシースープである。伝統×伝説という異色のコラボだ。

店に入ると、カウンターにポスターにと店内はどこもかしこもカーネルおばさん。世界中であれだけ「パクリパクリ」と騒がれていたにも関わらず、この自己主張は異常。後ろめたさ0パーセントで全力プッシュだ。

■パクリ商標なのにマーラータンは本気の味 / しかも激安1杯87円
マーラータン屋は基本は、並んでいる具材から好きなものをとり、それを煮込んでもらうものだ。言わばビュッフェスタイルである。野菜類は0.5元(約6円)~、練り物は1元(約12円)~が相場だ。

記者は同店で、野菜3種、練り物2種、はるさめをセレクト。スープの基本料金を合わせてお会計はたったの7元!(約87円)これは一般のマーラータン屋と比べてもお値打ち価格だ。

具材のカゴを渡し待つこと約10分。できたぁぁ! 最後にネギ、ニンニク、唐辛子、お酢など好みに合わせて味を整えてマーラータンの完成である。スパイシーさや濃厚さをウリにする店も多いが、この店のスープはコクがありながらも優しい味だ。これはウマイ! 具のゆで加減も絶妙。特にはるさめはパスタで言うところのアルデンテ。モチモチ弾力があり食べ応え十分だ。

■しかし残るカーネルおばさんの謎
中国でもカーネルおばさんのことは、カーネル・サンダースの嫁説、生き別れの妹説など様々な憶測が飛び交っている。結局何者なのかはわからない。ケンタッキー州生まれみたいな顔をしているが「吉おばさん」という名前からして中国人であることは確かのようだ。

なお、吉阿婆マーラータンは中国全土に展開しているが、店舗リストは公開されていない。北京や上海の中心部からは急速に撤退中だ。やはり商標問題がからんでくるのだろうか。マーラータンの味はかなり良かった。いっそのことキャラをオリジナルに変えたら良いのでは? と思うが……なくなるには惜しい味である。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24

お店のデータ
吉阿婆マーラータン浦電路店 
上海市浦東新区浦電路267号
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▼好きな具を自分で選ぶ、野菜、キノコ、練り物……なんでもあるぞ

▼こんなところにもおばさんが!!


▼スープはダシがきいており、具の食感も良い



▼並べてみた、言い逃れはできないレベルである

▼オマケ、夜の大人の色香編


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