サッカーのゲームをしていると、たまにコンピューターのゴールキーパーが不思議なセーブをすることがある。真正面のボールなので普通にタッチすればセーブできるのに、なぜかあえて前方向にジャンプしてエビ反り状態でカカトセーブするのだ。
同様の動きは、インターネット界にたびたび貼られるGIFアニメにも存在する。毛むくじゃらの男が前ジャンプエビ反りセーブ……。映画『少林サッカー』のワンシーンでは?と思ったりもするが、実はこれ、サッカーの国際マッチで敢行された伝説のゴールセーブ、その名も通称「スコーピオン」なのである。
衝撃のスコーピオンは、YouTubeアップされた動画「Rene Higuita and the Scorpion kick」などでも確認できる。
時は1995年。コロンビアVSイギリスの国際親善マッチでの出来事だ。コロンビアのゴールキーパー「レネ・イギータ」は、真正面に飛んできたボールを、なぜかジャンプ一番エビ反り状態でカカトセーブ。自らこの奥義を「スコーピオン」と名付けたのだという。
ちなみにレネ・イギータは、当時のコロンビア代表チームのシンボル的存在であったという。愛称は「エル・ロッコ」で、意味は「狂人」。
1993年には冤罪だったが逮捕され7カ月も獄中生活、翌年1994年ののワールドカップには出場できなかった。さらに2004年にはコカイン反応で逮捕。まさしくクレイジーな経歴を持つ、コロンビアサッカー界の伝説の男である。もしもゲームなどでスコーピオンを見かけたら、イギータの名前を思い出そう。
(文=GO)
参照元:Youtube terryincoffs