日本文化と言えば何だろう。伝統文化も忘れてはいけないが、やはり今世界で最もウケているのは漫画・アニメ、ゲームに代表されるポップカルチャーだ。世界各国で二次創作を扱う同人イベントが開催されている。

中国の上海で上海最大の同人イベント「魔都同人祭10 / Comicup10」が開催された。中国の同人イベントってどんな感じなの? 早速潜入したみたぞ!

5月27日(日)、「魔都同人祭10 / Comicup10(CP10)」が行われたのは元上海万博・アフリカ連合館の建物だ。事前情報によると 参加サークル670、企業ブースが30が集結。もちろん上海最大級、中国最大級と言ってもいいイベントだ。

入場券の前売り分は早々に完売、混乱を避けるため当日券の販売は中止となったが、この日1日で1万人以上が来場したと見られている。

・やっぱり日本のアニメ・漫画が人気! 東方、Fate、タイバニなど
作品にしろコスプレにしろ、やはり日本の作品を扱ったものが多い。なかでもボーカロイド、『東方Project』、『Fate / Zero』など特に人気のある作品は特設ブースが設けられた。それ以外では『タイガー&バニー』や『しろくまカフェ』も多く見られた。そこには時差はなく、まるで日本の同人イベントに参加しているようである。

・BL分野で中国オリジナル作品が増加中
一方で、中国における創作アニメや漫画は乏しいと思われがちだが、今、中国では日本の漫画に親しんできた世代が自分たちで作品を作り始めている。先日、講談社が中国で漫画雑誌を創刊し話題となったが、同人分野でもオリジナル、もしくは中国オリジナル作品の二次創作が活発化。なかでも『盗墓筆記』という小説の二次創作はすでにボーイズラブ分野で一定の地位を確立しているそうだ。日本作品一辺倒の中国アニメ・漫画事情に変化が現れていると言えよう。

・基本的にはアニメ・漫画ファンの集い、でも一部怪しい物販も
大きなトラブルもなく終了したCP10だが、日本の同人誌の転売や同人と全く関係ない商品の販売、アイドルの生写真販売などちょっとグレーなブースもちらほら。その辺が中国らしい。販売物については、事前登録制のはずだ。制度はあるがチェックの機能は十分ではないようである。

ここでも転売やニセモノ販売の取り締まりは課題であると言える。しかし、見る限り 同人イベントを楽しみに来ている来場者がほとんど。また、若者はパクリ商品を嫌う傾向にある。当日も怪しげな物販ブースはそんなに賑わってはいなかった。金もうけのために来ている業者は淘汰されていくのではいくのではないだろうか。純粋に漫画・アニメファンが集まるイベントになることが期待される。

Report:沢井メグ
photo:Rocketnews24.
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▼こちらが会場だ

▼学生ボランティアによると待ち列は会場を一周していたとのこと

▼会場の様子

▼いろいろ売っていた

▼同人誌は30元前後が相場と言ったところだ

▼中国小説『盗墓筆記』のサークル

▼まさかの「李白×杜甫」本キター!!

▼コスプレイヤーも多いぞ

▼日本の同人誌を発見

▼「日本から買ってきた」とのこと

▼値札がついたままのものもあった

▼これは……

▼同人と関係なさそうな物販も

▼来場者に頼まれてスケッチブックに絵を描いているサークル

▼ビニ傘にも!

▼スケブ文化もバッチリ伝来とは胸アツである

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