「男は船、女は港」という言葉があります。どういう意味かといいますと、「男は船のようにあちこちの港を渡り歩き……つまり様々な女性の元にちょっとずつ停泊して浮気をし、船のように動き回ることができない港は、ひたすら船が入港するのを待つしかない」という解釈もあります。

「浮気の肯定かよ!」と、はらわた煮えくりかえる思いの女性もいるかと思いますが、この言葉の元は、昔の船乗りの格言によるものだそうです。

時は平安時代末期……奥州で自刃したとされる源義経がアイヌに渡り、そこからモンゴルへ落ち延びたのではないかという伝説は有名ですよね。アイヌに滞在中、チャレンカという娘が義経に恋をしました。

義経一行がいよいよモンゴルへ旅立つ時、彼女は自分も共にモンゴルへ行こうと後を追いますが、港に辿り着いた時、義経の船は既に出港してしまっていました。チャレンカは失意のあまり海に身を投げます。その後、チャレンカが海の魔神となり、「女を乗せた船は転覆させる!」という呪いをかけたのではないか、という噂が広まり、船は女人禁制になったとのこと。

この伝説の真偽はさておき、女人禁制の状態で遠洋漁業に出てしまうと、数年間は女体お預けということになってしまいます。よって、久しぶりに港に戻った際は、船乗りたちはハッスルしまくり、売春宿で女を抱きまくった、というところから、「男は船、女は港」という言葉が生まれたというわけです。

もちろん、今の時代は、船が女人禁制ということはありませんし、格言にかこつけて浮気をされたら溜まったもんじゃありませんよね。

では、男性に浮気をされないような女になるには、どうしたら良いのでしょうか?  それには、なんといっても「遠洋漁業に行かせないこと」がポイントでしょう!  「アタシの港で沿岸漁業すればいいじゃない!」と、自分の港をプレゼンすることが大事です。マグロやカツオなどは、遠洋漁業でないと獲れない魚たちですが、サバやアジなどは沿岸漁業でも捕獲することが可能です。しかし、いかんせんマグロ漁やカツオ漁に比べると、地味な印象を受けますね。

男性にとって派手なマグロ漁やカツオ漁は、スリリングな浮気体験、サバ漁などは、お手軽女とのノーマルプレイのようなものです。ということは、スリルを提供すれば、男性は遠洋漁業に出なくなる……つまり、浮気をしなくなる、ということになりますね。

港が提供できるスリル……それはズバリ、「停泊料」です。船が港に停泊する際には、停泊料がかかりますこそれを、男女間の恋愛にも応用しては如何でしょうか?  といっても、法外な停泊料は、「こんな港、二度と来ないぞ!」と愛想を尽かされてしまいます。

適度な、「このコに股を開かせるには、どれくらいのランクの店で食事したらいいんだろう? 270円居酒屋じゃムリかなぁ」など、ほどよいドキドキ感を提供することによって、おのずと港にやってくる回数も増えるというわけです。「カネのかからない、都合のいいオンナ」よりも、相手をヒヤヒヤさせるくらいのおねだりがあったほうがベターですよ。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子