人気グルメ漫画『孤独のグルメ』(原作:久住昌之 / 作画:谷口ジロー)は、多くのファンから支持を得ている作品だ。2012年にはテレビ東京でドラマ化され、これもまた大人気の作品となった。深夜ドラマだったため、劇中の美味しそうな料理を見て「夜中にお腹を鳴らした人」もいるのではないだろうか?

そのドラマで主人公・井之頭五郎役を務めた松重豊さん。彼は毎回あらゆる飲食店で美味しい料理を食べるのだが、ドラマの撮影後、「あまりにも美味しすぎて個人的に再度行ってしまった店」があるという。その店とは……!?

・その店は池袋の中華料理店
そのお店は、『中国家庭料理 楊』(東京都豊島区西池袋3-25-5)。ここはドラマ『孤独のグルメ』の第三話において「豊島区 池袋の汁なし坦々麺」というタイトルで紹介された店。

松重さんは撮影時に食べた『中国家庭料理 楊』の料理に感動し、後日、個人的に行ってしまったというのだ。これは2012年4月29日に開催された『孤独のグルメ』のイベントで語られた秘話で、わざわざ予約をして食べに行ってしまったという。

・ドラマ放送前に予約をした理由
しかも、ドラマが放送されると混んでしまうため、放送前に行ったらしい。それほど美味しいのならば食べてみたい! ということで、実際に『中国家庭料理 楊』に行ってドラマと同じ料理を注文してみたぞ! はたして美味しいのか……!?

・まさに中国の大衆食堂
池袋駅から徒歩5分、その店は狭い路地の一角にあった。外装も内装もまさに中国風。それも「どうです! これぞ中国でしょう!?」といった感じの人工的な中国ではなく、中国に実際にある大衆食堂の雰囲気を醸し出している。店内に入ると、気の良い男性スタッフが軽快な口調で席に案内してくれた。実に親しみやすい。

・拌三絲(ばんさんすう)
キュウリやニンジンを酢や油、調味料であえた料理で、松重さん演じる井之頭五郎が食べた料理のひとつ。非常にさっぱりとしており、中華料理でありながら和食のような風味を持っている。普通は細切りにした卵焼きを使用するが、これは豆腐の表面を使用している・そのため、他店のものよりサッパリとしていて歯ごたえが楽しめる料理に仕上がっている。非常に美味しい。

・焼餃子
これも松重さんが食べた料理で、小籠包のような形状をした餃子に薄い皮がついた状態で出される(いわゆる羽根つき)。箸でパリパリと皮を割って餃子を分離して食べると……。熱いッ! ハフハフホフホフッ! あづあづッ! 餃子を口の中で噛むと、皮が破けて肉汁がブワァーッと広がってくるのだが、それがまた熱い! その肉汁が非常に繊細なダシの味を含んでおり、具と皮の美味しさを引き立てる。非常に美味しい。

・汁なし担々麺
見た目はアッサリ系に思えるがとんでもない。よくかき混ぜて食べると「天下一品のこってりスープかよッ!」と思うほど超コッテリなのである。いや、これは『天下一品』以上のコッテリさである。その秘密はゴマダレとナッツにあった。どちらもマッタリ系のコッテリ食材なので、すごくコッテリなのに味の濃さで飽きることがないのである。

調味料や香辛料によって味を濃くしている店もあるが、そういう料理は「鋭い味の濃さ」になってしまう。しかし、ここの担々麺はゴマダレとナッツが本来が持っている「味の濃さ」を利用してコッテリ感を出しているため、非常に優しい味なのである。しかし、スパイシーなので辛すぎるのが苦手な人は要注意。だが、ほどよい辛さがとても心地よく感じた。これも松重さんが食べた料理で非常に美味しい。

・四川風麻辣鶏肉
大量の唐辛子にまみれた鶏のから揚げ。唐辛子を食べると危険なので、鶏のから揚げだけを食べること(唐辛子を食べるなとは言わないが自己責任で)。唐辛子が直接鶏肉についているのではなく、唐辛子のエキスが鶏肉にほどよく浸透している。よって激辛ではなく「じんわりと辛い料理」に仕上がっている。鶏肉のウマミと衣のウマミ、そして唐辛子のウマミの3つが合わさって繊細なスパイシー料理となっている。非常に美味しい。

・麻婆豆腐
中国・四川省の麻婆豆腐をこの店で独自にアレンジし、本場の味を守りながらも「新しい四川料理の味」を作り出している。スパイシーな味噌をふんだんに使用しているため、キリッとした辛さよりも先に味噌のウマミが味覚神経に伝わってくる。片栗粉を大量に使用した日本の麻婆豆腐に慣れている人からすると、この味に驚きを隠せないかもしれない。非常に美味しい。

『中国家庭料理 楊』の多くの料理には山椒が使われている。かなり多く使われているが、唐辛子とは違ったスパイシーさを堪能することができるはずだ。唐辛子の辛さがストレートに伝わってくるものだとすれば、山椒の辛さはジワジワとあとからやってくる辛さであり、そこに美味しさを感じることができるはずだ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 中国家庭料理 楊(ヤン)
住所 東京都豊島区西池袋3-25-5
時間 平日11:30~13:30 17:00~22:30 / 土日12:00~14:00 17:00~22:00
休日 不定休

Correspondent: Kuzo