中国では、廃油や下水から作られた食用油は「ドブ油(地溝油/下水油)」と呼ばれている。もちろん、違法で人体に害を及ぼす恐れがある。ドブ油自体は以前から問題となっていたが、先日、中国で3200トン押収という大規模なドブ油工場が摘発され話題になっている。

ドブ油は腐敗した動物の肉や内臓、皮から作られていたそうだ。報道によると、100名以上が拘束され主犯格は死刑になるのではとも噂されている。そのとんでもない工場の内部とドブ油の製造方法が公開された。

2011年、付近の住民から「異臭がする」という苦情を受け地元公安が調査を開始。調査の結果、この工場はドブ油工場であることが発覚。近隣の食肉処理場から廃棄された牛、豚、羊などの肉や皮、内臓を原料として油を作っていた。しかも原料は腐って変質したものだ。とても人間の口に入れられるような代物ではない。

この工場でのドブ油の作り方はこうだ。原料を圧搾し、油を抽出。それをザルのようなものでこすという大変簡素なものだ。工場内に積まれている塊はしぼりカスである。この油は各地の食品加工会社に卸され、食用油、鍋の素などに加工されて地元だけでなく中国の複数の都市に流通している。流通先は上海まで含まれるという。

ネットユーザーは

「気持ち悪い!」
「中国人に良心はないのか」
「これじゃあ何も食べられないよ……」
「うちの地元にも流通しているらしい」
「ある意味、中国で作れないものはないね」

などとコメント。

また「どうやって見分けたらいいの?」と質問するネットユーザーも多い。「異臭」や「沈殿物がある」などいろいろな見分け方が提示されているが、全てのドブ油に当てはまるものではない。ましてや加工食品になってしまうとお手上げだ。市場に出回ると消費者レベルでわかるような決定的な見分け方はないと言っていい。

今のところ行政が業者を摘発し、流通を未然に防ぐしか方法はなさそうである。中国ではドブ油関連の犯罪について、最高刑は死刑になるという。厳罰化も犯罪を抑制するためなのだろうが……それだけでは市民はまだ安心することはできないだろう。

参照元:Youku 四川広電

▼動画はこちら

▼こちらがドブ油工場

▼工場内部、衛生的とは言えない

▼浮いている白っぽいものが動物の内臓や皮だそうだ

▼抽出された油、これが食品メーカーに出荷されていた