サッカーの自殺点には美学がある。せつなくもあり、かなしくもある。自殺点を放ってしまったキッカーにとってはトラウマ級の悪夢であるし、味方チームにとっても迷惑極まりないプレイであるが、はたから見ているぶんには「いいもの見させてもらいました」的なシーンである。

そしてまたひとつ……伝説的な自殺点シーンが誕生したとのことで、自殺点マニアの間ではちょっとした話題になっているのだ。

YouTubeにアップされた動画のタイトルは「unbelievable own goal assisted by the wind」。事件が起きたのはイスラエルのマッカビ・ハイファFC対ウクライナのFCディナモ・キエフの試合中とのこと。どんな自殺点だったのかというと……

マッカビ・ハイファのゴールキーパーがボールを地面に起き、「それっ!」と思いきりゴールキックを蹴ったところ、ボールは天高く舞い上がると同時に強い向かい風に流されて、あれよあれよという間に自軍のゴールへUターン!

そして「ポーン!」と大きく1バウンドした後、ゴールキーパーはセーブ失敗。そのまま自殺点と相成ったのである。風が原因とはいえ、これはせつない。相手は自然現象である。チームメイトとしても、かなりせつない。ゴールキーパーが放ったシュートであるが、ゴールを決めたのは風である。まさに風神の1ゴールといえよう。

(文=GO
参照元:Youtube TheSportsChannel