猫の目は人間と違い暗闇でもモノがハッキリ見えていることはよく知られている。もともとハンターである彼らならではの特徴だ。体の構造上人間にはとても真似できない。

だが、中国の農村には猫の目を持つ少年がいるそうだ。彼の薄いブルーの目は暗闇で猫のように光り、明かりがなくてもハッキリとものを見ることができるというのである。

猫の目を持っているのは中国広西チワン族自治区の農村に住む農有穂(のう ゆうすい)くんだ。

父親によると、有穂くんが生後2カ月の頃親戚が彼の目の色が青色であることに気がついたそうだ。すぐに病院に連れて行ったところ特に異常は見つからなかった。

彼の特別な目が世に知れるようになったのは小学校に上がってからだ。

ある日の夜、有穂くんのクラスは担任の先生と一緒にコオロギを採りにいった。クラスメイトがふざけて懐中電灯で有穂くんを照らしたところ、彼の目が猫のようにピカッと光ったのである。その場にいた人は全員驚いたそうだ。

猫の目の特徴を思い出した担任が「暗くてもものが見えるの?」と聞いたところ、有穂くんは「見えるよ!」と答えた。そして他の子どもが懐中電灯の光でコオロギを探しているのに対し、彼は明かりなしでコオロギを捕まえていたのである。暗闇で光り、光がなくても見えるとはまさに猫の目だ。

その後、有穂くんは光を遮断した空間で字を読んだりトランプの数字を当てたりするなどのテストを受け、本人の言うように暗闇でもハッキリとものが見えていることがわかった。逆に明るい場所では彼はボンヤリとしか見えていない。

医師によると有穂くんの目は先天性の色素欠乏症(アルビノ)だそうだ。彼の目の色素は白人の目より色素が少ない。透明なガラスが色つきのものより多く光を通すように、少しの光でも彼にとってはものを見るには十分なのだ。

彼のようなケースは暗闇では便利ではあるが、極端に明るい場所だと最悪失明の危険性がある。医師も外出時はサングラスなどをかけ直射日光はできるだけ避けるべきだとしている。だが、「猫の目」であること自体が彼の成長には影響はないそうだ。

参照元:看中国(中国語)、Youtube StephenHannardADGUK