2012年1月23日は旧暦の正月だ。日本ではただの平日だが、アジアでは旧正月を重視している国が多く、各国お祝いムードである。

そんななか、中国で非常に残念なニュースが広まっている。中国のお正月特別番組内でコントが放送されたのが、そのコントが日本のお笑いコンビ・アンジャッシュのコントそのものだと中国ネットユーザーが指摘し話題となっているのだ。

パクリコントと指摘されているのは、中国国営放送CCTVの大晦日特別番組『春節聨歓晩会』内で放送されたものだ。

こちらの番組は毎年旧暦の大晦日に放送されている。歌あり、ダンスあり、笑いありと中国の子どもからお年寄りまで多くの人が楽しみにしている、言わば国民的番組である。

その中で放送されたコント「面接」が、日本のお笑いコンビ・アンジャッシュのコント「バイトの面接」のパクリではないかと中国ネットユーザーが指摘した。その情報は瞬く間に中国版Twitter・Weiboで広まり、多くのユーザーの同意を得ているそうだ。

アンジャッシュの代表的な芸風と言えば、勘違いコントだ。「バイトの面接」はアルバイトの面接に来た人物と彼を万引き犯だと勘違いした店長との間に繰り広げられるコントである。

例えば「お前は見るからに(盗みを)やりそうだ」という店長のセリフを面接者は「見るからに仕事ができそうだ」と勘違いしたり、逆に面接者の「今まで別の店で(仕事を)やってきた」というセリフを店長は「今まで別の店で盗みを働いていた」と思い込むなど、かみ合っていないのに二人の会話が絶妙に進んでいくのが面白い。

元々約5分のものを中国では約12分と膨らませてはいるが、基本的な構図は同じである。セリフまでアンジャッシュ版をそのまま中国語に訳されたものが採用されている

これを知った中国ネットユーザーは

「もう見ないよ」
「CCTVの審査自体が終わってる」
「CCTVの知的財産権の意識ってどうなってるの? 心配だわ」
「オリジナルの方が面白い」
「明らかにパクってるな」
「恥を知れ!」

などと失望と怒りを隠せないようだ。

「まさか国営放送がパクリをするなんて」と信じられないユーザーもいるが、コントの作者名にはアンジャッシュの名前は入っておらず別の中国人が作ったことになっている。

なお、中国版では両者の誤解は解け、面接者の誠実で実直な姿に店長は感激し好待遇で採用されることになる。

この作品について記者会見では「最後、面接者が採用を勝ち得たポイントは『誠実であること』、『人として筋を通すこと』であると若者に教えるでしょう」と語られていたのだが……。皮肉にも誠実さを教えるどころか反面教師になってしまったようである。

参照元:Youku 熱浪歌gg

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