2012年、新年あけましておめでとうございます。皆さんも同じように実感していると思いますが、2011年は激動の年でした。年末年始は「スカスカおせち料理騒動」にはじまり、3月には誰もが忘れることができない「東日本大震災」がありました。

当編集部は、海外取材の記事をメインとして、インターネット上で話題になっている日本や海外のおもしろいニュースを報じつつ、必要であれば真面目なニュースも伝えるという方針で記事を書いております。

3月11日に発生した東日本大震災ですが、当編集部ではそれまで掲載していた「おもしろおかしいニュース」をいつものノリで掲載していいのか? という壁にぶち当たりました。厳密にいえば、「いつから、おもしろおかしいニュースを掲載してもいいのか?」という壁です。

どんどん被害の状況が拡大していくなか、必然的に震災情報を優先して掲載していくことになったのですが、同時に日本全体が「疲労困憊」な状況に陥りつつあることも感じました。ですので、できるだけ早い段階で「震災の情報も掲載しつつ『おもしろおかしいニュース』も掲載したい」と考えたのです。

震災後、何をするにしても「不謹慎不謹慎」と言われる時期だったので、皆さんも発言や行動に気を使ってしまったという人がいるのではないでしょうか。しかし、そんな「不謹慎」といわれる状態から日本国民が早く抜け出して「平常運転」に戻れたことが、少なからず日本経済に対してプラスになったのではないかと思っています。

もちろん、いまだに過酷な状況で生活している人たちがいることも忘れてはならない事実です。当編集部の記者は震災後に、福島第一原子力発電所付近の南相馬市や浪江町に出向きました。放置された牛や犬、猫を救助するボランティア団体に密着取材というかたちで現地に向かいましたが、そこで衝撃を受けたシーンが3つありました。

ひとつが、農場で餓死している牛の死体の山です。飼い主がエサや水を持ってくるのを待って、悲痛な鳴き声をあげていました。半数以上が餓死していたと思われます。もうひとつが、ゴーストタウンと化した浪江町をさまよう犬と猫でした。人間を久しぶりに見たために警戒しているのか、なかなか近寄ってこないのです。しかしひとたび「この人間は大丈夫だ」と思ったら、まるで10年ぶりに再会したかのように甘えてきたのです。人間と同じように、さびしかったのでしょう。

そして最後に衝撃を受けたのが、記者が南相馬市のホテルに宿泊した際に聞いた「納豆が出るなんて信じられない!」という現地の女性の言葉です。ホテルが用意した朝食を広間で食べていたのですが、その朝食に納豆が出ていたんですね。

この取材をしたのは4月上旬で、震災の影響で納豆の生産ができないという話は知っていましたが、東京都内では完全になくなるということはなく、探せば手に入れることは容易でした。しかしここ南相馬市では納豆が手に入ること自体が信じられない出来事で、女性は納豆が朝食に出たことに驚きを隠せなかったようなのです。記者は非常に強い衝撃を受けました。

ガイガーカウンターで放射線量の数値を計測したり、現地から生放送をしたり、それをTwitterで書き込みするメディアやジャーナリストは多いですが、それだけでは足りません。「個々の人々」や「当事者」だけが感じることを「感じ取り」報じることが大切だと再認識しました。

ニュースを読んだり、テレビを見たりしているだけでは「わかっていても実感できないこと」が多数あります。この納豆の出来事もそうだと思います。『ロケットニュース24』は「正義感と使命感を持ってガンガン報じていく」というタイプの媒体ではないかもしれません。しかし、どんな出来事に対しても、独自に取材したからには「読者が実感できる情報」を伝えていきたいと考えています。

2012年も『ロケットニュース24』は守りに入りません。物事をオブラートに包んだり、石橋を叩いて渡ることもしません。「不謹慎」や「不適切」を恐れて記事を載せないこともしません(そもそも不謹慎だと思うものは最初から書きません)。ディレクターも監修もいりません。そんなのは糞くらえです。ファッキング村です。

2011年はいろいろありましたが、今年はよりいっそう楽しい情報をお伝えしていきたいと思います。他の媒体が報じることができない独自取材も増やしていく予定です。『ロケットニュース24』編集部一同、読者の皆さまのご健康をお祈りしております。
 
写真: RocketNews24.