原発事故以来、消費者は国内産の食料品の産地表示に敏感になっている。以前であれば、「○○県産」と店側が表示していた商品も、最近では「西日本産」や「国産」と表示しているケースも少なくない。

販売者側は消費者の心理を考慮して、産地を曖昧にしている場合があるのだが、山形県のとあるコンビ二店が最近店頭に表示した産地の表記が物議をかもしている。このお店は客からの要望に応じて、産地表示をしてもやしを販売していたのだが、そのもやしには「福島以外」と書かれていたのである。同店は、別の客からの指摘を受けて産地表示を改めた。

この情報は2011年12月17日の「河北新聞」が報じているものだ。それによると、同県の大手コンビ二チェーン1店は以前から福島県産のもやしを扱っていたという。

ところがある客から「福島以外のモヤシを買いたい」(原文まま)と言われ、別産地のもやしを仕入れた。そして、客に言われた通りに「福島以外のもやし」と表示して、販売していたのである。

このもやしは12月14日に店頭に並んだのだが、別の客から「配慮にかける」と指摘を受けて、15日には表示を山形県産に改めたそうだ。このことについてインターネットユーザーは次のようにコメントを寄せている。
 
・ 「福島以外」と表示していたもやしについて、ネットユーザーの反応

「東北内部でも福島への八つ当たりのしかたはすごいですからね」
「ひどすぎます」
「正しく他県名を記入すれば問題にならなかったものを……。寝た子を起こした感じになった」
「ぶっちゃけ、日本国民が一番望んでいる表示方法じゃねぇの、これ」
「デリカシーじゃ被曝は防げない。コンビニ店長を支持する!」
「どうでもいいがもやし48円は高すぎだろ」
「あまりにも大雑把すぎるわ……。こんな表記されたら返って怪しまれるだろ」
「これもやっちゃいかんよ、気持ちは分かるけど」
「「危険の反対は無条件に安全」というわけではない」
「何が悪いのかわからない」
「同じ東北でも他人事なんだね。さみしいわ」
「なんでこういうことをするかな」
 
……など、さまざまな意見が寄せられている。

いずれにしても消費者は食品について、より正確な情報を求めているので、産地についてはわかり易く表示するべきではないだろうか。表示してもかえって疑問が生まれるようでは、販売者として疑われても当然といえよう。

参照元:河北新聞