世界中の人々に届けたいビデオがここにある。

2011年3月11日午後2時46分、日本は東北地方太平洋沖地震という過去最大規模の地震に襲われた。その結果、1万人を超える方が亡くなり、日本は悲しみに打ちひしがれることとなった。そんな時、私たちに「共に頑張ろう」と声をかけてくれた人々がいた。そう、世界中の人々が共に闘おうと立ち上がってくれたのである。

彼らの助けが私たちに元気と勇気を与えてくれ、こうやって今、前を向いて進み続けることができている。この感謝の気持ちを世界中の人に伝えたい。そんな想いがいっぱい詰まったビデオがYouTubeで公開され、少しづつだが世界に日本からの「ありがとう」が伝わっていっている。

英語字幕もきちんと付けられた「We Will Always Remember You」(私たちはあなたたちのことを決して忘れない)というタイトルのこのビデオは、3月11日の地震がいかに悲惨な被害をもたらしたかを紹介するところから始まる。そして宮城県石巻市にいた、ある英語教師に焦点が当てられる。

石巻市の万石浦小学校で英語教師をしていたテイラー・アンダーソンさん(当時24歳)は地震発生当時、おびえる生徒たちを校庭まで避難させ、「大丈夫だよ」と声をかけながら励まし続けた。そしてテイラーさんは、保護者たちが迎えに来るまで生徒たちの傍を離れなかったという。しかし彼女はその後自宅に帰る途中、津波に襲われ、帰らぬ人となってしまった。

そんな命をかけて自分たちを守ってくれたテイラー先生への想いを、生徒たちは「優しい先生でした」とビデオの中で打ち明かす。そしてビデオは、「我々を助けてくれたのはテイラー先生だけではなかった。本当にたくさんの人達が遠くからやって来てくれた」というメッセージと共に、世界の様々な国の人へ「ありがとう」を伝えていく。

このビデオを見た世界の人々からは、以下のようなメッセージがYouTubeコメント欄に寄せられている。

「このビデオを投稿して下さってありがとうございます。日本のみなさんのために働けたことは、本当に光栄なことでした。このビデオは悲劇に直面しながら、日本が忘れない希望、そしてたくましい精神を映し出しています。確かに私は日本のみなさんのために自分の職をまっとうしていましたが、自分が与えたものより多くのものをみなさんから頂いた気がします。(ビデオを見て)涙が止まりませんでした。『(日本語で)がんばろう!』」

「かなり泣きました。来月私は日本に行きます。その際には、日本に笑顔と希望を持って行きます!」

「『(日本語で/原文そのまま)どうもいたしまして。』ドイツより」

また驚くべきことにコメント欄には、テイラーさんの友人らしき人物からのメッセージも残されていた。

「涙が止まりませんでした。2008年から2009年テイラーと私は宮城県でJETプログラム(英語指導などをする事業)に参加していました。彼女が生徒たちからいかに愛され、大切に思われていたかを知って本当に感動しました。宮城は私の第2の故郷であり、日本の方々が示してくれた優しさを私は一生忘れません。そして世界が私の友達たちに示してくれた優しさも決して忘れません。日本、そして日本を助けてくれたみなさん:『(日本語で)ありがとうございました!』」

人として大切なものを思い出させくれる今回のビデオ。これを見ていると、他への感謝を忘れないこの素晴らしい日本なら、必ずや以前以上に元気になれるという自信が湧いてくる。そして改めてこう言いたくなる。震災後私たち日本と共に歩み闘ってきてくれた世界のみなさん、本当にありがとう。

(文=田代大一朗

参照元:YouTube/johnkobayashitokyo
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▼ビデオは約8分と長めですが、ぜひ最後までご覧下さい