先日、中国広東省で2才児が車にひき逃げされたあと18人が見て見ぬふり、結果2度車にひかれることになったという痛ましい事件が起きた。19人目に現れた女性が道路でぐったりしている女の子を助け、女の子はやっと病院に運ばれた。

彼女はその行為から有名人になったのだが、なんとその後「有名になりたかったから助けたんじゃないか」と心ない市民から非難されていることがわかった。

ひどい中傷を受けたのは陳賢妹(ちん けんめい)さん(58才)。2度ひき逃げにあい血まみれになっていた女の子を救助した女性だ。事件が事件だけに彼女は一躍有名人に。連日報道されていることはもちろん中国版Wikipedia「百度百科」にもページができてしまうほどだ。

だが、その状況が面白くなかったのか、一部の心無い市民から「売名行為だ」「有名になりたかったからやったんだろう」と激しく非難されていることがわかった。陳さんの家族も「正しいことをするのがそんなにいけないことなのか」と心を痛めている。

陳さんによると、彼女は読み書きができず電話も一人ではかけられないそうだ。倒れていた女の子を道路の脇に寄せ、周囲に救急車を呼んでくれるようを願い出たが、誰も応じなかったとのこと。やっとの思いで女の子の両親を見つけ、救急車を呼んだとのことである。

非難されるべきは陳さんでなく、ひき逃げ犯と素通りしていった18人、そして陳さんの要請を無視していた人々ではなかろうか。
 
ネットユーザーからは

「人の善意をそんな風に言うなんてひどすぎる」
「中国の恥、彼女がいなかったら中国社会はもっと恥をさらしただけだ」
「やっかんでるんだろう。そんなに有名になりたければ人助けをすればいいじゃないか」
「私は陳さんを尊敬します」

などとコメントしている。
 
また陳さんは「私が稼いだお金ではないから」と、政府からの感謝状と報奨金2万元を辞退。この行為にもネットユーザーたち「いい人はどこまでもいい人だ」と感心しているそうだ。

17日現在、被害に遭った女の子は集中治療室で治療中だが予断を許さない状態だ。一部では脳死状態との報道もあり、命が助かっても後遺症が残るのは必至だという。「もしすぐに救急車を呼んでいれば……」「陳さんを非難するのは筋違いだ」と中国社会も改めて憤りをあらわにしている。 

参照元:商都網(中国語)