世界中で発売が待たれているアップルの次世代スマートフォン「iPhone5」。すでにニューヨークのアップルストアには、日本人男性2名が並び、警備関係者に注意されたようなのだが、日本でも行列しようと考えている人もいるのではないだろうか。

実は2010年にiPhone4が発売される際に、ロケットニュース24で記事を書いている佐藤記者も行列していた。彼によれば、これから行列参加する人は、事前に確認しておいた方が良いことがあるそうだ。

彼の言う、「iPhone5行列」の心得についてお伝えしたい。

佐藤記者は同年6月21日から発売日の24日までの4日間、行列に参加していた。最速で行列に参加したと思った彼だったのだが、彼が到着したときには、すでにほかに3名おり、事実上4番手として列に並んだそうだ。

途中で1人脱落し、最終日の朝の段階で3番だったとのこと。しかしながら、彼は事前準備をいくつか怠ったために、結局iPhone4を手にすることができなかったのである。彼はいったい何を怠ったというのだろうか? 以下は佐藤記者自らが語る事前準備の心得だ。参加を予定している方は、参考にされると良いだろう。
 
【 iPhone5 行列の心得 】
1. 必ず予約をすること
私(佐藤記者)は、iPhone4を予約なしで購入できることを、事前に確認していました。それで行列に並んだんです。順調に行けば、3番目で購入できるはずでした。ところが、発売日の朝になって、「予約された方は、前に進んでください。当日購入の方はその後ろに」と、列が整理されたのです。

私の後に並んでいた予約者は、どんどん私の前に繰り上がって行くではありませんか……。

購入直前に、私は100番以下に繰り下げになってしまいました。行列に参加し、いち早く購入したいという方は、必ず購入予定の店舗に予約してください。

2. ドコモ・auから乗り換えの方は、料金を支払うこと
私に待ち構えていた悲劇はそれだけではありません。ナンバーポータビリティで、ドコモからソフトバンクに乗り換え、iPhone4を手にする予定だったのです。ところが販売開始から約2時間近く経って、ようやく店舗に入ったものの、さらなる悲劇が待ち構えていました。

愚かなことに、先月の料金を支払っていなかったために、乗り換えできませんでした。料金の滞納は禁物です。乗り換えの際には、きちんと料金を支払ってからにしましょう。

3. もっとも大事な備品は椅子
4日間並ぶに当たって、もっとも大切だと思えたものは椅子です。何もやることがないなかで、4日間も立ち尽くす訳に行きません。用意した椅子だけが、あなたの居場所となるでしょう。丈夫で軽い椅子があなたの疲労の緩和に役立ちます。寝るだけの場所はないので、寝袋は役に立ちません。また、時々移動を命じられることもあるので、重い椅子は邪魔になります。軽くて丈夫な椅子、これが大切です。

4. 販売日当日までは、店舗スタッフはあまり関与できない
列に関して、お店もいろいろと注意を払っています。というのも、道路の使用許可は、発売日しかとっていないようです。そのため、「ここに並んでください」とか「列の最後尾はここです」と言ったような、アナウンスは当日の朝までしてもらえません。場合によっては、解散するように命じられる可能性さえあります。

何より店にとって難しいのは、待っている以上はお客さんであるために、「よそに言ってください」とも言い切れないのです。ですから、店舗スタッフの迷惑になることは極力避けるべきでしょう。もちろん、通行される皆さんの邪魔になるような行為は論外です。周りに対する配慮は最優先しなければいけないのです。

5. 雨具は必携
並んでいる間に、雨が降ることもあります。雨具は絶対に用意した方が良いでしょう。カッパと傘があれば完璧。カッパさえあれば良いように思うのですが、じっとしてカッパを着たまま雨に打たれていると、思いのほか体力を消耗します。カッパと傘をセットで用意しましょう。

6. 周りの人と声を掛け合う
一人で並んでいると、トイレや食事に行くことが難しいです。しかしながら、一緒に並んでいる人がお互いに声を掛け合って、助け合うことができます。「ちょっとトイレに行ってきます」、「コンビニに行ってきます」など、声を掛け合って、場所と荷物を交代で番するのです。そのときに声を掛け合うだけでなく、飲み物や食べ物を買ってきてあげると喜ばれるでしょう。他人同士でも同じ目的で助け合うことが、大切ではないでしょうか。

7. 行列は義務ではない
先にも述べましたが、周りへの配慮を最優先にして、参加者同士助け合いながら、一日一日を消化して行きます。購入するそのときまでは、時間がまったく進まないとさえ感じることがあるでしょう。そうまでして手に入れたい、iPhone4(今回はiPhone5)ですが、購入することは義務ではありません。いつやめても良いのです。

日が進むにつれて、疲れはたまり、睡眠不足のために昼夜逆転してしまいます。当然体調を崩すこともあるかも知れません。体を壊してまで購入しなくても、後日買うことだってできるのです。無駄に意地を張ってまで、列に参加するのはやめましょう。
 
以上が佐藤記者の語る行列の心得だ。彼の言う通り、行列参加は決して義務ではない。聞くところによれば、前回は発売前日深夜に、列の収拾がつかなくなり警察から解散を命じられそうになりかかったそうだ。

参加予定の方はこれらの内容を参考に、行列に並んで頂きたいものである。

写真:Rocketnew24