ブロッコリーにわさびやホースラディッシュを加えて食べると、ブロッコリーの抗がん作用が上がるらしい。イリノイ大学のジェナ・クレーマー氏ら研究者が学術誌『British Journal of Nutrition』に発表した。

ブロッコリーには、「グルコラファニン」と呼ばれる化学物質が豊富に含まれている。グルコラファニンは、同じくブロッコリーに含まれている酵素「ミロシナーゼ」により分解され、「スルフォラファン」へと変化する。このスルフォラファンには、がん細胞を殺す力がある。

しかし、加熱し過ぎたブロッコリーではミロシナーゼが壊れ、スルフォラファンが作られなくなり、抗がん作用が落ちてしまう。ところが、わさびなどのスパイスをブロッコリーに追加すると、この抗がん作用が蘇るらしいのだ。

実験に使われたのはサプリメントとしても売られるブロッコリーパウダー。グルコラファニンは含まれているが、ミロシナーゼは含まれていない。被験者は、ブロッコリーパウダーと一緒にブロッコリーの芽を食べた後、血中の生理活性成分(ここでは「抗がん作用のある成分」を指す)を調べた。

すると、被験者の血液中にある生理活性成分は、食後の30分で血中に表れ、3時間後にはもっとも高くなった。研究者の話によると、これはブロッコリーの芽に含まれるミロシナーゼが、ブロッコリーパウダーのグルコラファニンを分解し、スルフォラファンが回腸(小腸の一部)で吸収されるからなのだそうだ。大腸での吸収と比べて回腸での吸収は素早く、吸収率も高いため、食後30分で血中に生理活性が表れたようだ。

この結果が示すのは、加熱し過ぎてしまったブロッコリーでも、ミロシナーゼを含む食品と一緒に食べれば、ブロッコリーの抗がん作用が保たれるということだ。わらびやホースラディッシュの他、大根、キャベツ、ルッコラ、クレソン、芽キャベツなどにもミロシナーゼが含まれている。

「週に3~5回ほどブロッコリーを食べれば、がんの予防になる」と研究者らは言う。

抗がん作用の他、スルフォラファンにはピロリ菌抑制、そして肝臓での解毒酵素生成を促進する働きもある。さらに、ブロッコリーに含まれている他の成分には抗ウィルス・抗菌作用もあるらしい。

トマトやキュウリなどと比べてしまうと影が薄い野菜ではあるが、ブロッコリーはたくさんのスーパーパワーを秘めている。人も野菜も、見かけで判断してはならないのだ。
(文=Kanako Otomo)

参照元:dailymailBritish Journal of Nutrition(英文)

写真:ロケットニュース24