夏といえば怪談。ということで今回、インターネットで話題になっている韓国の怖いウェブ漫画を紹介しよう。このウェブ漫画には、ある技法が使われており、それがさらにストーリーの怖さを引き立たせているのだが、それについては後で話そう。

まずはそのストーリーを読んでほしい。この話は多くの目撃談のひとつを漫画として再構成したものである。先に忠告しておくが、このストーリーを読んで夜に眠れなくなっても自己責任でお願いしたい。
 
『ボンチョンドンお化け』(ボンチョンドンは韓国の地名)

その時は夜11時20分ぐらいだったと思います。私は放課後の授業が終わって、疲れた体で学校から家に帰るところでした。

ところがその日は人の姿が見えませんでした。私のアパートは結構大きくて、いつもだったら夜でも人がたくさんいるはずなのですが。

とにかく人もいないし、恐い気持ちでずっと下だけを見て歩いていたのですが、私の方に人影が長く伸びているのが見えました。

確か、私の前には誰もいなかったはずなんだけど。誰かな? と前を見ると……

一人の女性が私の前を歩いていました。しかし、その姿がちょっと変だったのです。

体の不自由な人みたいというか……。ゆらゆらしながら歩いていました。

彼女の歩く速度が遅くて、すぐにその女性に追いつきました。近付いてみると、その姿がはっきりと見えました。

汚れたピンクのパジャマを着て……、まるで全身の関節が折れているかのようでした。

そのうえ、髪の毛は整っておらず四方に伸びていました。

私はすごく変な感じがして、足を止めました。これ以上近付いちゃいけないと思ったし、その女性の前を通り過ぎる勇気もなかったんです。

びっくりしすぎると悲鳴もでないという話は本当でした。本当に動けなくなり、その場で凍りつきました。
 
「私の赤ちゃんはどこにいるの?」
 
その女性の質問で色んな考えが頭をよぎりましたが……

はぁ、私はなぜそんな事をしたのでしょうか……。今思い出しても恐いです。

私は一番遠いところを指さしながら答えました……
 
「あ、あそこです。」
 
ただその女性が遠く行ってくれればいいと思うだけでした。

その女性は私が指した方によろめきながら歩き……、だんだんと遠くなって見えなくなりました。

私はもしかしてまたその女性と出くわすのではないかと思い、すぐさま後ろを向いてアパート団地から出ようとしました。

なにも考えられませんでした。人が多いところに早く行きたいと思う以外は……

その瞬間
 
「ここにいないじゃない!!」
 
遠いところから彼女の絶叫が聞こえました。

その後のことは記憶に残っていません。倒れている私を隣のおじさんが家まで送ってくれたそうです……
 
・この話の背景
2007年、ソウル冠岳区ボンチョンドンのあるアパートから33歳の女性ジョさんが投身し、その場で亡くなりました。

自身の不倫で夫と離婚したジョさんは2歳の娘の養育権を失い、自分を悲観、そして自殺したそうです。

その後、事件が起きたアパート団地では歩いているジョさんの姿が、何度も目撃されています。

死亡当時着ていたパジャマで、全身の関節が折れたまま裸足で歩いている彼女の姿はとても恐ろしいと言われています。

終わり
 
これを聞いただけでも十分怖い話なのだが、漫画で見ると2倍、いや3倍怖い。というのも上でも述べたように、このウェブ漫画にはある怖い仕掛けがほどこされているからだ。

もったいぶらずに、早くその仕掛けを教えろ? 記者も教えたいのは山々なのだが、ここで教えてしまっては漫画の面白さが半減してしまう。ただJavaScriptの技術を使った仕掛けであることだけは教えておこう。

それでは、怖いものは大好物だという方はぜひご覧頂きたい。しかし怖いものにはめっぽう弱いという方は、見ないことをおすすめする。記者もこの漫画の怖さを知らずに見て、あとで後悔したその一人である。
 
(文=田代大一朗
参照元:NAVER:ボンチョンドンお化け(韓国語)※このページで、ゆっくり下にスクロールすれば今回のウェブ漫画が見れます。