個人経営のお店で、コストダウンのために前に入っていた飲食店の設備をそのまま使う「リノベーション」が増えているようだ。もちろん、前に同業態の店が入っていた場合は違和感のない店構えになるだろうが、まったく違う業態のお店だった場合、ちょっとユニークな見た目になる。

そんなユニークなお店の代表ともいえる店舗が、東京の地下鉄丸ノ内線・中野坂上駅の近くにあるという。そのお店の名前は『カレー居酒屋 やるき』。なんと前に入っていたお店が「立ち食いソバ屋」だったらしく、そのまま設備を使用して本格インドカレーを提供するお店にしたのだとか。

えっ? 立ち食いそば屋っぽい店舗なのにインドカレー屋なの!? これは非常に興味深い。実際にその店舗を取材するべく、記者はさっそく食べに行ってみた。

お店は駅から歩いてすぐの奥ばった場所にあり、確かに、看板以外は立ち食いソバ屋にしか見えない。純和風の古い引き戸を使っており、どう見てもインドカレー屋には見えない……。

最初に券売機で食券を買うようだが、お昼に提供されているカレーは「マトン」と「キーマ」、そして「ミックス」の3種類、すべて700円だ。マトンカレーとキーマカレーはカレーに目玉焼きがのっている料理。ミックスは目玉焼きがないかわりに、カレーが2種類となっている。

記者はマトンカレーをチョイス。マトンは独特の臭いをしているものだがここのマトンカレーはまったく臭くなく、トマトのウマミが効いた非常に美味しいカレーだった。ご主人に聞くと、現在の内装はほとんど自分で手がけたという。記者は混む時間帯を外して来店したからよかったが、ランチタイムのピーク時はお客さんが行列を作るという。

また、夜もかなりの人気のようで、6名ほどしか座れない店内は混雑する場合が多いとのこと。インドカレー屋なのになぜか「馬刺し」や「ざるそば」も提供しており、和食と一緒に本格カレーを楽しめるのが人気の秘密なのかも?

そんなご主人のいちばんの悩みは、「換気設備が弱くて自慢のナンが作れない」ことだそうだ。極小店舗なので、なかなか設備を大幅に変えるのは難しいだろうが、自慢のナンをお客さんが味わえるようにぜひとも頑張ってほしいお店だった。
 
・店舗詳細データ
店名: カレー居酒屋 やるき
所在地: 東京都中野区本町2-48-8
電話番号: 03-3376-3090