8月3日、東京の東京電力本社前で、日本の農業組織・農業者で構成される団体『農民運動全国連合会』と、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会『食健連』が、大規模な抗議活動を行った。

「人々を路頭に迷わせた東電の居直りは許せない! 8.3東電・政府賠償請求行動」として、農家を中心に約350人が集結。東電に怒りの訴えを行ったのである。その一部始終について、とあるインターネットユーザーが自身のブログを伝えているのだが、4日の投稿内容に驚くべき内容が記されているのである。

その内容とは、キノコ農家の男性が放射能問題でまったくキノコが売れなくなり、700万円以上減収。その結果、電気代の支払いさえままならないのに、電気の供給を止めるとの通告を受けたという。供給停止も猶予するべきだ、と青年は主張したのだが、東電職員は「訴えてもかまわない」と、半ば突き放すような発言をしたという。

この内容は、国家公務員一般労働組合のブログ「すくらむ」に掲載されていたもの。4日の投稿で、東電・政府賠償請求行動について伝えている。群馬県のキノコ農家の男性(31歳)の訴えに怒りを覚え、彼の置かれた環境と、東電の対応について明かしているのである。

それによると、この男性は父親の代からキノコ栽培に従事しているという。キノコの栽培は温度管理が要で、栽培環境を摂氏18度に保たなければならず、電気なくしては生産できないそうだ。しかし、福島第一原発の放射能事故を受け、キノコはまったく売れず、毎月30万円にもなる電気代を払うことができない。それにも関わらず、電気の供給停止を伝える通告書が届いたというわけだ。

この書面には「供給停止によりいかなる損害が生じても当社は一切の責任を負いかねる」と書かれており、もしこの出来事が事実であれば、事故の加害者的な立場であるはずの東電が、農家を脅かす存在に成り代わっていることに? せめて供給停止を猶予する措置を講じるようにと主張する青年に対して東電職員は……。
 
「出るとこ出たっていい。訴えるなら訴えてもらってかまわない」(ブログより引用)
 
……と返答したという。もしこれが事実なのであれば、対応した職員に賠償のすべてを判断する能力はないにせよ、このような言動は、農家ならびに国民の感情を逆撫でするものではないだろうか。
 
参照元:すくらむ