東京駅の新幹線改札口を通ると、いつもと何かが違う自動販売機を発見。

良く見ると、なんと、液晶パネルになっていて、かなりハイテクチックなのでした。側を通るお客さんたちも、物珍しそうに足を止めたり眺めたり触ったりしています。もしかして、東京駅限定の販売機かしら?

と思ったら、実はコレ「次世代型」自動販売機といわれるもので、昨年から品川や新宿など都内の主要なJR駅構内を中心に設置が始まったものだそうです。東北では既に仙台にも設置されております。

大きな液晶パネルには、ズラーッと並んだ清涼飲料水の画像が! 見た目は自動販売機ですが、陳列する商品はすべてデジタル映像! 見慣れないこの光景は、なんとも奇妙な感じ。

液晶画面には高輝度型液晶タッチパネルディスプレイというものを採用しているそうで、かなり鮮明で素材のシズル感がすごい。

この自販機の特徴は、自販機自体が広告の役割も担っているという点。「デジタルサイネージ」という、デジタル技術を活用。ネットワーク通信を利用し、ディスプレイなどに映像や情報を表示する機能が取り付けられているというのです。いまや自動販売機も、デジタル化の時代というわけですな。

さっそく記者も、試しにドリンクを購入してみることに。液晶パネルはタッチパネルになっていて、ドリンク画像をタッチすると、ひとまわり大きく浮かび上がって見えるようになります。なんというカッコよさ! そして、商品ひとつひとつが、どんな物かがわかりやすい。なんて、ムダのない自販機なの!

しかもこの販売機にはモニターカメラが取り付けられ、自販機の前を歩く人々の性別や年齢層を判断。個々が必要とする情報(自販機で売られているものなど)や商品のキャッチコピーなどをディスプレイに映し出してくれます。複数名いるときは、その中からひとりを自動的に選んで、その人物が必要とするであろう情報をディスプレイ表示するのだそうです。

そういえば記者の前では、デカデカと「水」の画像と共に「水、冷えてます」というキャッチフレーズが表示されていました。つまり、記者にオススメの飲料水は「水」ですよ、ってことなのでしょう。たしかに、生き生きとウマそうな水の映像に、思わず購入したくなりました。

この自販機がスゴソウなことはわかりましたが、気になる点がひとつ。

世間は節電真っ盛り。このまま、自販機はデジタル化を進めてもいいの? 疑問に思った記者が、次世代型自販機の開発に取り組んでいる、「JR東日本ウォータービジネス」に問い合わせてみたところ次のような回答がありました。

「新型自販機は、従来の自販機よりも確かに使用電量は多い。しかし時間によって冷却停止や液晶パネルを消灯させたり、従来型自販機の台数を減らすなどして、全体で25%の節電をしている」

とのことで、節電対策を積極的にされているそうで安心しました。現在は節電のため、稼動していない自販機もあるそうです。

また、大きな震災が起こり物資が行き届かないなどの場合、従来の自販機同様、自販機内の商品を無償で提供してくれるそうです。

しかし当然ながら自販機を動かせるのは電気が通っている場合に限るとのことで、今回のような大震災でどこまで有効活用できるかはちょっと疑問。

ただ、これまではスタッフが現地まで行って手動で設定を切り替える必要がありましたが、次世代型はネットワーク通信で自動切換えが可能。そのため、電気さえ通っていれば従来よりもスムーズに物資を提供できる可能性が高いというわけです。いろんな意味で便利になっているんですね。

今後はもっと力を入れていきたいとのことで、JR東日本の駅構内に2年間で500台を設置する予定。JR東日本の至る場所で、お目にかかる日もそう遠くはないかもしれません。はたして、ムダな自販機の林立防止に役立つか期待がかかります。

(寄稿=Pouch